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NFLチーム研究所:Week 25 – アリゾナ・カーディナルス

2017年10月14日(土) 11:29

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NFLで最も歴史の長いチームのひとつがカーディナルスだ。その歴史は1898年にシカゴ南部の街に地元有力者のクリス・オブライエンがモーガン・アスレチック・クラブというチーム名でアマチュアチームを創設したことに始まる。その後、チームはシカゴのレイシン通りにあったノーマル公園に本拠地を移したため、レイシン・ノーマルズに改名された。

1901年、オブライエンはチーム名をカーディナルスに変更する。カーディナルはショウジョウコウカンチョウのことで、深紅の姿でアメリカではよく知られた鳥だ。幸運を運ぶ鳥とも言われており、命名理由はそれ故とされている。ただ、オブライエンがチームのユニフォームとして、マルーン(えび茶色)をチームカラーとするシカゴ大学の古着ユニフォームを購入した際、「これはマルーンじゃない。カーディナルレッドだ」と宣伝したのもよく知られた話である。

その後、チームはシカゴ・カーディナルスに改名され、1913年にはプロ化された。1920年にNFLが結成されるとそのオリジナルチームとして加わったのである。

オブライエンは1929年に物理博士のデイビッド・ジョーンズにチームを売却、さらに1932年にジョーンズは5万ドル(現在の約90万ドル)で弁護士でありビジネスでも成功していたチャールズ・ビッドウェルに売却し、ビッドウェルが3代目オーナーとなった。しかしながら、そのチャールズ・ビッドウェルは1947年に51歳の若さで他界し、チームは妻バイオレットが相続して4代目オーナーに就任する。

1950年代までチームはシカゴを拠点に活動を続けたが成績は低迷、同じシカゴを本拠とするベアーズとの競争も激化し、チームの運営まで低迷していった。そのため、1960年に新天地セントルイスへと移転したのである。バイオレットは1949年にセントルイスを拠点とするビジネスマン、ウォルター・ウォルフナーと再婚しており、そのことがセントルイス選定に影響したと見られている。またセントルイスはMLBカーディナルスも本拠地としており、奇しくも2つのカーディナルスが揃うことにもなった。

本拠地移転を主導したバイオレットは1962年に死去。チームは息子のビル・ビッドウェルが相続して現在に至っている。

さらにセントルイスでのチーム経営も順調とはいえない事態に陥ることとなった。古く設備に劣るスタジアムに加え、ここでもチケット販売の不調が続いたのである。そうした状況は1980年代半ばになると顕著となり、ビル・ビッドウェルは1987年シーズンを最後にアリゾナ州フェニックスへの移転を決断することとなった。

1988年にフェニックスに移転したカーディナルスは当初フェニックス・カーディナルスをチーム名としていたが、アリゾナ州全体からの支持を訴えるため、1994年にアリゾナ・カーディナルスに改名している。

チームロゴは1920年のNFL加入時には頭文字を使った2つの“C”を重ねたものが使用されたが、1947年にカーディナルとボールが描かれたものに変わり、さらにセントルイス移転で一度変更された後、1970年からはカーディナルの頭部側面を描いたものが使われるようになった。このロゴは色や細部のデザインに手が加えられながらも、現在も使用され続けている。

【渡辺 史敏】

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