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NFLチーム研究所:Week 4 - ワシントン・レッドスキンズ

2017年05月20日(土) 10:30

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現在のレッドスキンズは1932年にジョージ・P・マーシャルら4人のグループによって、ボストンをフランチャイズに設立された。当時のチーム名はブレーブス。これは現在アトランタを本拠にする米大リーグ(MLB)ブレーブスが使用していたブレーブス・フィールドを間借りしていたためである。

チームは後にイーグルスの共同創設者となるラド・レイがコーチに就任して1シーズンを戦った。しかし、この最初のシーズンで4万6,000ドルの損失が出たこともあってマーシャル以外の投資家はチームから去り、マーシャルが単独オーナーとなった。さらに本拠地をMLBレッドソックスが使用するフェンウェイ・パークに移している。

この移転に合わせ、チーム名もブレーブスからレッドスキンズに変更された。もともとのブレーブスがアメリカ先住民に由来するものであったため、やはりアメリカ先住民を意味するレッドスキンがチーム名に選ばれた。インディアンズにならなかったのはすでに野球でこのチーム名を使用しているチームが存在していたためと言われている。

レッドスキンズがNFLチャンピオンシップ・ゲームに進出した1936年、チームが好調の波に乗る一方で、地元の人気は低く観客動員が低迷しており、NFLチャンピオンシップ・ゲームはレッドスキンズに地元開催権があったにもかかわらず、ニューヨークで開催されたほどであった。この不人気を受けて、マーシャルは翌1937年に出身地であるワシントンへの移転を決断。こうしてワシントン・レッドスキンズが誕生することとなった。

1969年にマーシャルが死去した後、起業家で米プロバスケットボール(NBA)ロサンゼルス・レイカーズのオーナーだったジャック・ケント・クックが1974年にマイノリティオーナーから2代目筆頭オーナーとなった。クックが1981年にジョー・ギブスをヘッドコーチに招くと、ギブスの下、レッドスキンズはスーパーボウルを3回制覇している。さらに1997年には当時NFL最大規模の8万人が収容可能な自らの名を冠した新本拠地ジャック・ケント・クック・スタジアムを建設した。

ただ、クックはそのスタジアムのオープンを待たずして同年4月に亡くなっている。

1999年にクックの遺族からチームとスタジアムを購入したのが、現オーナーのダニエル・スナイダーが率いるグループだった。買収額は8億ドルで、スポーツチームの買収額としては当時史上最高額である。

1964年生まれのスナイダーは医療施設の日用品販売から始まり、ダイレクトマーケティングやデータベースマーケティングなどの事業を展開。一代で財をなした。1996年には32歳で当時史上最年少でのニューヨーク証券取引所への上場を果たしている。

スナイダービジネスでの辣腕ぶりでも有名で、“シャーク”という異名も持つ。そのことはスタジアムの命名権、ネーミングライツを1999年に配送業の『FedEx(フェデックス)』に販売したことにも現れている。

【渡辺 史敏】

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