NFLチーム研究所シーズン2:Week 19 - ニューイングランド・ペイトリオッツ
2018年04月14日(土) 10:40
NFLチーム研究所トップ > NFLチーム研究所シーズン2:Week 19 – ニューイングランド・ペイトリオッツ
1960年にAFL所属チームとして設立されたペイトリオッツが最初のホームとしたのはマサチューセッツ州ボストンのニッカーソン・スタジアムだった。ボストン大学が所有する収容人数が1万人弱の屋外型多目的スタジアムである。
ペイトリオッツは3年間、このスタジアムを使用したが、その後はMLBボストン・レッドソックスの本拠地フェンウェイ・パーク、ボストン・カレッジの本拠地アルムナイ・スタジアム、ハーバード大学のハーバード・スタジアムを転々とする。
そうした中で自前の本拠地を欲したペイトリオッツがボストンとコネチカット州の港湾都市プロビデンスのほぼ中間、マサチューセッツ州フォックスボロに1971年にオープンしたのがシェーファー・スタジアムだった。チーム自らが建設して所有するという珍しいスタジアムだったが、710万ドル(現在の4,290万ドル)の低コストでの建設が実現した。
シェーファーというのはビールブランド、シェーファー・ビールのネーミングライツ取得に伴うもの。その後、スタジアム名はオーナー名からとったサリバン・スタジアム、さらにはフォックスボロ・スタジアムと2回変わっている。また、移転に伴い、チーム名はボストン・ペイトリオッツから2州を含む地方名のニューイングランド・ペイトリオッツに変更された。
同スタジアムではペイトリオッツ以外にも1994年のサッカーワールドカップの舞台になった他、1996年からはメジャーリーグサッカー(MLS)のニューイングランド・レボリューションが本拠としている。
しかし、低コスト建設がたたって、1990年代にはトイレやスイートボックスの不足などNFLのスタジアムとしての貧弱さが目立つようになる。まるで高校のスタジアムとまで揶揄されるほどだった。こうしたこともあり、ボストンやプロビデンスでの新スタジアム建設交渉が行われたものの、実を結ばず。最終的には、1988年にスタジアムオーナーに就任した後、1994年にチームオーナーとなったロバート・クラフトが1999年に同じ敷地内に新たなスタジアムを建設すると発表した。
こうしてクラフトオーナーが率いるクラフト・グループによって建設され、2002年にオープンしたのがCGMIフィールドだ。インターネット企業CGMIのネーミングライツによってこの名がつけられたが、同社が経営破綻したため、わずか1年でネーミングライツが移り、以降、ジレット・スタジアムに改称されている。
ジレット・スタジアムは約6万6,000人収容の屋外型フットボール用スタジアムで、クラフトがオーナーを務めるMLSレボリューションも本拠としている。3億2,500万ドル(現在の4億4,200万ドル)の建設費はクラフト・グループが負担しており、地元自治体は周辺道路の整備などしか行っていない。
さらに同地での開発はスタジアム建設にとどまらず、周辺の土地280ヘクタールを取得し、ホテルやシネマコンプレックスなども備える屋外型ショッピングモール、パトリオットプレースを建設し、2007年に晴れてオープンしたのである。翌2008年にはペイトリオッツの殿堂も建設し、スタジアムと一体化した複合施設へと発展させた。
【渡辺 史敏】
NFLチーム研究所トップ > NFLチーム研究所シーズン2:Week 19 – ニューイングランド・ペイトリオッツ