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ドラフト1巡目指名OTシモンズに感銘を受けるチーフスTEケルシー

2025年06月28日(土) 12:15

ジョシュ・シモンズ【AP Photo/Gregory Payan】

カンザスシティ・チーフスは1年前にレフトタックル(LT)ポジションで失敗したが、今回の試みでは素晴らしい選手を発掘できたと信じている。

昨年のドラフトで全体63位指名を受けたブリガムヤング大学出身のオフェンシブタックル(OT)キングスレイ・スアマタイアは、いきなりNFLの実戦に放り込まれたことで大きく苦戦した。それから1年後、チーフスはドラフト1巡目でオハイオ州立大学出身のOTジョシュ・シモンズを指名。シモンズは高いポテンシャルを秘めている一方で、膝蓋腱(しつがいけん)断裂によってシーズン終了を余儀なくされたことから、健康面に不安が残っている。とはいえ、オハイオ州立大学が全米制覇を成し遂げたシーズン中に負傷したにもかかわらず、シモンズは復帰に向けた道のりで著しい進歩を見せている。

シモンズはチーフスのベテランタイトエンド(TE)トラビス・ケルシーにも強い印象を与えているようだ。

ケルシーは自身のポッドキャスト番組『New Heights(ニュー・ハイツ)』で、OTA(チーム合同練習)やミニキャンプ中のシモンズとのやりとりについて次のようにコメントしている。

「彼はスカウトチームのディフェンシブエンドと同じように、ディフェンシブエンドとしてプレーしていた。ただ自分のギャップを守っていただけだけど、プロそのものだった。集中力を切らさず、プロとしてやっていた。彼の手につかまれた気がしたとき、俺は“よし、俺もこれに応じなきゃ。視線を向けているだけだとしてもだ。しっかりと踏ん張っておかないと”と思った」

トラビス・ケルシーの兄であり、将来の殿堂入りが確実視されているジェイソン・ケルシーも、シモンズに感銘を受けている1人だ。

フィラデルフィア・イーグルスでオールプロに6回選出された経歴を持つ元センター(C)のジェイソンは、「この数年、(大学から)卒業したばかりのラインマンをたくさん見てきたけど、彼はこれまで見た中で一番トレント・ウイリアムスに似た存在だ・・・別次元の強さと運動能力がある。彼がお前たちのチームに指名された唯一の理由はケガだろう」と話している。

ラインマンの比較でウイリアムスの名前が挙がることは、その選手への高い評価を意味する。NFLでトップレベルのブロッカーが言及した場合はなおさらだ。チーフスにはもう1人、そういった選手が存在する。それはガード(G)トレイ・スミスであり、スミスは春季活動を終えた後にシモンズについて意見を述べた。

「実際の様子は見ていないけど、彼が信じられないほど強いっていうのは聞いた」と語ったスミスはこう続けている。

「だから、トラブ(トラビス・ケルシー)の手の話をしてくれたけど、俺が聞いたのもまさにそんな感じだ。でも、明らかに才能がある選手だ」

「チームにとって大きな戦力になるだろうな。楽しみにしているぜ」

3年連続でスーパーボウルに進出したチーフスだが、オフェンシブラインは最大の弱点となっていた。ベテランOTドノバン・スミスの退団によって生じた穴を埋める試みは大きな失敗に終わり、ワーニャ・モリスにチャンスを与えたこともあったが、結局はGジョー・トゥニーをタックルに回すことでラインの問題をどうにか収めるしかなかった。

その戦略には一定の効果があったものの、チーフスの先発オフェンシブラインマンのレベルは平均的なものにとどまり、第59回スーパーボウルではイーグルスのパスラッシュに圧倒された。この経験から、チーフスは2025年シーズンに向けてオフェンシブラインをより優先的に強化する必要性を痛感。その結果、オハイオ州立大学時代に優れたプレーを数多く見せていた、機敏で運動能力の高いタックルであるシモンズを指名した。

シモンズにとってはまだほんの始まりに過ぎないと考えているケルシーは、次のように語っている。

「よし、あいつをチームに迎えて、俺たちのカルチャーになじませてやろうじゃないか。楽しみながら、相手をねじ伏せに行くぞ」

【RA】