NFLチーム研究所シーズン2:Week 2 - ニューヨーク・ジャイアンツ
2017年12月16日(土) 20:50
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1925年のチーム創設時にジャイアンツが本拠としたのはチーム名の由来ともなっているMLBニューヨーク・ジャイアンツ(現サンフランシスコ・ジャイアンツ)のホームだったポロ・グラウンドだ。ニューヨーク・マンハッタン北部にあった同スタジアムは野球用スタジアムとして建設されたものである。
ジャイアンツは1955年まで30年間、このスタジアムを使用した後、ニューヨーク市ブロンクスのヤンキー・スタジアムに移転した。もちろんMLBニューヨーク・ヤンキースの本拠地であり、やはり野球用スタジアムを間借りする形が続くこととなった。
1970年代に入るとジャイアンツは自前のスタジアムを持つことを指向し始める。一方、ニュージー州は1960年代半ばからニューヨークを本拠地とするNFLチームを、マンハッタンから西に車で20分ほどの距離にある同州イーストラザフォードのメドウランズと呼ばれる地区に招致に動いていた。メドウランズとは牧草地という意味で、これは同地区が湿地帯で草が多い茂っていたことに由来する。所有者はニュージャージー・スポーツ展示局(NJSEA)でNFLスタジアムを中心に競馬場やアリーナを併設したスポーツ複合施設、メドウランズ・スポーツ・コンプレックスを建設することを計画したのだ。特に競馬場の存在が重要で、建設費を競馬場からの収益でまかなおうとしたのである。
ジャイアンツとNJSEAの交渉は1971年にまとまり、1972年から建設が始まった。完成したのは1976年で、1973年秋からヤンキー・スタジアムのリノベーション工事が始まったこともあり、ジャイアンツはその年から2年間はコネチカット州ニューヘイブンにあるイェール大学の本拠地イェールボウルを、1975年はMLBニューヨーク・メッツの本拠地だったシェイ・スタジアムを使用している。
1976年10月、いよいよスタジアムが完成し、ジャイアンツは念願のホームスタジアムを手にした。スタジアムの名称はジャイアンツ・スタジアム。ここでは対抗リーグUSFLのニュージャージー・ジェネラルズやサッカーのニューヨーク・コスモスをはじめ、1984年からはNFLのジェッツがホームとして使用するようになったが、その名はジャイアンツ・スタジアムが使われ続けた。
スイートボックスの追加といったリノベーションが暫時行われており、さらに2000年から2002年にかけてはそれまでの人工芝からパレット式の自然芝が導入された。ただこれは失敗し、2003年には人工芝に戻されている。
そうした中で次第に老朽化が目立つようになり、間借り状態が続いていたジェッツも自前のスタジアムを持つことを望んでいたこともあって、両チームが50%ずつ所有権を持つ新スタジアム建設が模索されるようになった。当初は2012年夏季五輪のニューヨーク招致運動のなかでマンハッタン西部に既存の国際展示場と一体化した8万5,000人規模のスタジアム建設が計画されたものの、2005年に招致活動が頓挫。そのため、ジャイアンツ・スタジアムに隣接した場所に新スタジアムが建設されることとなった。
こうして2010年に完成したのがメドウランズ・スタジアムである。8万2,500人収容の屋外型スタジアムだ。スタンドの中段、4隅に大型ビデオスクリーンが設置されているだけでなく、コンコースやスイートボックスなどに2,000を超える大小のビデオディスプレーが設置されているのが特徴。また2チームが使用するため、24時間以内の仕様変更が可能など、さまざまな工夫が凝らされている。
ジャイアンツは同じコンプレックス内にチーム本部と練習施設と置いているが、ジェッツはニュージャージー州の郊外にそれぞれの施設を持つ。
2011年に大手保険会社メットライフがネーミングライツ契約を結んだことが発表され、以降はメットライフ・スタジアムと呼ばれている。
【渡辺 史敏】
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