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NFLチーム研究所シーズン2:Week 24 - ピッツバーグ・スティーラーズ

2018年05月19日(土) 09:45



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1933年、現在のスティーラーズがパイレーツとして設立された時、ホームとしたのはMLBピッツバーグ・パイレーツの本拠地フォーブス・フィールドだった。チーム名同様、スタジアムも拝借したのである。

フォーブス・フィールドはピッツバーグの郊外、オークランドに建設され、1909年にオープンした野球用のスタジアムだった。内野部分には3層構造のスタンドが設けられ、2万5,000人が収容できた。

1940年にチーム名がスティーラーズに改称された後もフォーブス・フィールドはホームとして1963年まで使用され続けた。第二次大戦の影響で選手の確保が困難となり1943年にはスティーグルスと呼ばれるイーグルスとの合併、1944年にカードピッツと呼ばれるシカゴ・カーディナルスとの一時的な合併が行われたが、その際にはイーグルスの本拠地だったシブ・パーク、カーディナルスの本拠地だったコミスキー・パークも使用されている。

さらにフォーブス・フィールドから3ブロックの場所にピッツバーグ大学のフットボール用スタジアム、ピッツ・スタジアムがあり、6万9,000人を超える収容規模だったこともあり、1958年からはピッツ・スタジアムでもホームゲームを開催するようになった。

そうした中でフォーブス・フィールドの老朽化が進んだうえ、パイレーツがもっと大きなスタジアムを望むようになり、1958年にはパイレーツがフォーブス・フィールドをピッツバーグ大学に売却した。これを契機にピッツバーグ市ではダウンタウンからモノガヘラ川を渡った場所に新スタジアムを建設する計画が進められ、1968年に建設が始まることになったのである。1964年にスティーラーズはホームを完全にピッツ・スタジアムに移していた。

こうして1970年に完成したのが屋外型多目的スタジアムであり、5万9,000人収容のスリーリバース・スタジアムだ。スリーリバースとはモノガヘラとアレゲニー、オハイオという3つの川が交わる場所にスタジアムが建てられたことに由来する。

この時期、スリーリバース・スタジアムのような1階スタンドが可動式になっていてフットボールにも野球にも対応できるスタジアムが効率的に運営できると流行した。しかし、次第にどっちつかずであり、快適な観戦環境ではないという評価をされるようになってしまう。そのためスティーラーズとパイレーツの双方が専用スタジアム建設を地元自治体に要求するようになり、長期に渡る交渉の末、スリーリバース・スタジアムのあった地区に、それぞれの専用スタジアムを建設されることが決定されたのである。

こうしてスティーラーズ用スタジアムとして2001年に完成したのがハインツ・フィールドだ。屋外型のフットボール用スタジアムで、6万8,000人以上を収容でき、ピッツバーグ大学もホームとしている。ネーミングライツをケチャップで有名なハインツが2021年まで総額5,700万ドルで購入したため、この名称となっている。

【渡辺 史敏】

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