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QBピケットの失敗はスティーラーズの責任と主張する名QBブラッドショー

2025年07月09日(水) 13:48

ケニー・ピケット【Cooper Neill via AP】

元ピッツバーグ・スティーラーズの名クオーターバック(QB)であるテリー・ブラッドショーが再び、かつての1巡指名選手ケニー・ピケットを擁護している。ピケットはわずか2シーズンでチームを去ることとなった。

先週公開された“To The Point – Home Services Podcast(トゥ・ザ・ポイント―ホーム・サービス・ポッドキャスト)”のインタビューで、ブラッドショーはスティーラーズがピケットのためにチームを構築しなかったことが、同選手の苦戦を招いたと非難した。

ブラッドショーは「1巡指名の選手を2年で手放しておいて、いまだにクオーターバックを探している。彼のためにチームを構築しようとすらしなかったのに」と語った。

この見解は今回が初めてではなく、ブラッドショーはこれまでも繰り返し、失敗したのはピケットではなくチームの側だと主張してきた。

スティーラーズがピケットを指名したのは、ベン・ロスリスバーガーの引退から1年後のことだった。当時、ピッツバーグ大学出身のピケットを1巡で選んだことに対しては、指名順位が高すぎるとの声も多く、実際にピケットは多くの1巡指名QBが備える特徴をあまり示すことができなかった。チームは2024年、ピケットをフィラデルフィア・イーグルスへトレードしている。

ブラッドショーの発言には一定の説得力がある。スティーラーズはピケットを守るために平均以下のオフェンシブラインしか用意できず、ルーキーイヤーの途中で解任された攻撃コーディネーター(OC)マット・カナダは散々な出来だった。チームはピケットを指名する前年にランニングバック(RB)ナージー・ハリスとタイトエンド(TE)パット・フリーアムスをドラフトで獲得しており、ピケット指名後には2巡目でワイドレシーバー(WR)ジョージ・ピケンズを加えている。

ブラッドショーは、ピケットを環境の変化によって飛躍したクオーターバックの一例として挙げており、タンパベイ・バッカニアーズで復活を遂げたベイカー・メイフィールドや、ミネソタ・バイキングスで再起したサム・ダーノルドの名前を引き合いに出している。

「1巡で指名したクオーターバックは成功するはずなんだ」とブラッドショーは話す。

「でも、その選手が大学時代に一緒にプレーしていたような優秀な選手を周囲にそろえないといけない。ところが、それをしないでおいて彼のことを失敗だと言う」

選手ではなくチームの側に問題があるケースの方が多いのは間違いない。必要以上に高順位で指名したり、成功するための環境を整えなかったりといったミスが繰り返されている。しかし、真のエリートQBは、たとえ逆境の中でもチーム全体を引き上げる存在だ。ピケットはスティーラーズでそれを実現することはできなかった。

かつての1巡指名QBは、今シーズンにクリーブランド・ブラウンズで再起を図る。現在はジョー・フラッコやルーキーのディロン・ゲイブリエル、シェドゥーア・サンダースとともに先発の座を争っている。ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキー率いるオフェンスは、ピケットがスティーラーズで経験したものとは比べものにならないほど洗練されているが、武器がそろった理想的な環境とは言いがたい。スティーラーズの体制よりブラウンズの体制の方がピケットに合っているのかどうか、それとも彼のキャリアの大半がバックアップで終わる運命なのか、その答えはこれから明らかになる。

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