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NFLチーム研究所シーズン2:Week 26 - インディアナポリス・コルツ

2018年06月02日(土) 13:19



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1953年のチーム設立から1984年の移転までボルティモアでコルツがホームとしていたのは屋外型の多目的スタジアム、メモリアル・スタジアムだった。

1954年からMLBボルティモア・オリオールズも使用した約4万8,000人収容の同スタジアムは1922年に建設され、1950年に改築されたものの次第に老朽化が進んだ。多目的スタジアム特有の使いにくさや共用での制約もあってコルツは1970年代に入ると、ボルティモア市に対してリノベーションや新スタジアムの建設を要望し始めると同時に他都市への移転を模索するようになる。

1980年代には複数の都市と交渉が進められた。中でもNFLチームの誘致に熱心だったのがインディアナポリスだ。まだ誘致が確定していないにもかかわらず、1982年にはNFLチーム用スタジアムの建設を始めたほどである。

そして1984年3月、ボルティモア市との交渉が不調に終わったこともあってコルツのインディアナポリス移転が決定する。この時、新スタジアムはまだ完成していなかった。

こうして新天地でのシーズン開幕直前の1984年8月にオープンしたのがフージャー・ドームだ。このスタジアムはインディアナポリス市のダウンタウンに立地し、展示場インディアナ・コンベンションセンターと一体化した多目的ドームスタジアムである。バイキングスがホームとしていたメトロ・ドームや東京ドームと同じく、テフロン加工したファイバーグラス製の屋根を空気圧で膨らませる方式が取られていた。フージャーとはインディアナ州民を指す。1994年には電機メーカーRCAがネーミングライツを取得し、以降、RCAドームに改称されている。

オープン当初は約6万人収容だったが、度重なるリノベーションにより2006年には5万5,000人規模にまで減っている。これはNFLのスタジアムとしては最少だった。

こうしたことに加えてコンベンションセンターの拡張計画もあり、インディアナ州はRCAドームの南側隣接地に2005年から新スタジアムの建設を開始。2008年に完成したのがルーカス・オイル・スタジアムだ。自動車オイルメーカーのルーカス・オイル・プロダクツがネーミングライツを取得し、この名称となっている。

ルーカス・オイル・スタジアムは約6万7,000人収容のフットボールをメインとした屋内型の多目的スタジアムだ。開閉式の屋根の他、北側には開閉できる巨大な窓が設けられている。外装にはレンガが使われており、直線的なデザインもあって古い倉庫のようなレトロスタイルであることも特徴の一つだ。第46回スーパーボウルの会場にもなった。

【渡辺 史敏】

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