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「日々」膝のリハビリに取り組むブラウンズRBチャッブ、ケガの原因となったヒットは「試合の一部」

2024年06月06日(木) 13:20


クリーブランド・ブラウンズのニック・チャッブ【AP Photo/Sue Ogrocki】

クリーブランド・ブラウンズのランニングバック(RB)ニック・チャッブは忍耐力と先を見通す力をもって、物事の明るい面を見ようとしている。

またしても膝の大ケガからの回復を目指しているチャッブは、いつフィールドに戻れるかを正確に把握していない。リハビリの道のりはまだまだ長いが、チャッブは昨シーズン第2週に負傷してからこれまでに歩んできた道のりに満足していると話している。

現地5日(水)、昨年9月に負傷してから初めて記者会見に臨んだチャッブは、報道陣に対して「毎日、少しずつ良くなってきているし、1日1日を大切にして良くなっている」と語り、こう続けた。

「ああ、今はただ、もっと強くなろうとしているところだ」

「現状に満足している。あるべき状態にあると言ってもいいね。俺にとって一番重要なのは、日々良くなっていくことだ」

ブラウンズは3月下旬の時点で、チャッブがこれからの数カ月で身体的にどのような状態になるかは分からないと述べていた。チャッブ本人も、本格的に活動できるようになったのは最近になってからだと認めている。

「9月にダウンした。最近になるまで、本当にうまく動けるようにならなかった。だから、今は動き回れるようになっていい感じだ」とチャッブは明かしている。

先走りたくないと考えているチャッブは、復帰時期については明言しなかった。復帰に向け、いわゆる日々のアプローチをとろうとしているチャッブは、こうコメントしている。

「あまりにも先のことは考えていない。1日1日を大切に過ごしているだけ。今日は水曜日だ。水曜日の今日、より良くなる必要がある。それが俺の考え方だ」

一方で、チャッブは負傷の原因となった問題のプレーを振り返り、ピッツバーグ・スティーラーズのフリーセーフティ(FS)ミンカ・フィッツパトリックへの恨みや非難はないと説明。ヒットの後、フィッツパトリックが自分のもとにやってきて、傷つけるつもりはなかったと言われたことを明らかにしたチャッブは、こう話している。

「悪意のあるヒットだったとはまったく思っていない。(フィッツパトリックを)責めているわけじゃない。あれは試合の一部だ」

ブラウンズは2024年シーズン末までチャッブを残留させるために契約を再編。とはいえ新しい契約は、NFLでの6年間で試合平均キャリー16.1回を記録してきた一方で、大学時代にも膝に重傷を負った経験がある28歳のチャッブを抱えることで生じるリスクを反映し、よりインセンティブを重視したものとなっている。

チャッブは2022年シーズンにキャリー数(302回)、ランヤード(1,525ヤード)でキャリアハイを更新し、タッチダウン数(12回)でもキャリア最高記録に並ぶなど、素晴らしい活躍を見せたが、昨季はマンデーナイトゲームの第2クオーターにカートに乗せられてフィールドを後にし、合計2試合の出場にとどまった。チャッブはシーズン最初の2試合においてキャリー28回で170ヤード、レシーブ4回で21ヤードを記録している。

プロボウルに4回選出された経歴を持つチャッブは“仲間と一緒にプレーできないこと”がつらかったと認めた一方で、大きな挫折を味わった後にチームが自分に寄り添ってくれたことに感謝していると語った。

「間違いなくありがたかった」と振り返ったチャッブは「彼らは俺を見捨てて見放すこともできたけど、素晴らしい仕事をしてくれた。俺はクリーブランドにいたいし、彼らもそれを知っている。だから、俺たちは良いところにたどり着いたんだ」と続けている。

シーズン第1週での復帰は可能なのか? それは誰にも分からないが、そうなれば素晴らしいストーリーになるだろう。2024年NFLシーズンにおける最初の日曜日に、ブラウンズのスタジアムは熱気に包まれることがすでに予想されている。ブラウンズがダラス・カウボーイズを迎え撃つその日に、元クオーターバック(QB)トム・ブレイディが『FOX Sports(フォックス・スポーツ)』の実況アナウンサーとしてデビューする見込みだ。

チャッブが試合前にトンネルを駆け抜ける姿は、シーズン第1週であろうとそれ以降であろうと、会場を沸かせるに違いない。ブラウンズファンはチャッブを愛しており、チャッブもまたブラウンズファンを愛しているようだ。

「このゲームをプレーできるのは幸せなこと」と強調したチャッブは「それを当たり前だとは思っちゃいけない。1つのプレーですべてが奪われる可能性があるからだ。俺はクリーブランドの周りでたくさんのサポートに恵まれているし、ファンや友達、家族は俺を元気づけ、前進させてくれている」とつけ加えている。

【RA】