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トム・ブレイディがペイトリオッツの殿堂入りを果たし、背番号12が永久欠番に

2024年06月13日(木) 16:30

トム・ブレイディ【NFL】

6回のスーパーボウル優勝という輝かしい実績を持つクオーターバック(QB)トム・ブレイディが、ニューイングランド・ペイトリオッツの殿堂で、それにふさわしい位置を占めた。

現地12日(水)にジレット・スタジアムで開催された3時間のイベントの締めくくりとして、ペイトリオッツのレジェンドであるブレイディの名が、チームの殿堂に刻まれた。このイベントでは、ブレイディが着用していた背番号12が正式に永久欠番となり、ブレイディの栄誉を称えて銅像が建てられることも発表されている。

“The G.O.A.T.(史上最高の選手)”と称されるブレイディは、NFL史上最も成功したそのキャリアを築くのを助けてくれた人々に対して、絶えず最大限の敬意を表していた。

赤いペイトリオッツのホール・オブ・フェイム・ジャケットを着て、正式にチームの栄誉ある殿堂入りを果たした直後、ブレイディは「人生で重要なことは個人では成し遂げられない」と語り、次のように続けている。

「あの6つのバナーを1人で掲げた人はいない。チーム全体で成し遂げたことだ。ここニューイングランドで大事なのは、いつも“私たち”や“われわれ”であって、“私”や“自分”じゃない。人間関係は共有された経験に基づいて築かれるものであって、私の人生で最も意味のあるものは、まさにその人間関係だ。本当にもっと時間があればと思う。みなさんにもっと時間を捧げることができたらよかったのにと思うばかりだ」

「ニューイングランドでの20年を短いスピーチでどうやってまとめるのか? 答えは簡単だ。そんなことはできない。ここで過ごした時間が私の人生にどのように彩りを添えたのか、感謝の気持ちや思いを正しく伝えるのは難しい。学んだことが多すぎるし、語るべきストーリーが多すぎるし、みんなで経験した信じられないような瞬間や功績も多すぎる。そのすべてを語り尽くすには、30分どころか30日かかるだろう。感謝すべき人々がたくさんいて、誰かを忘れてしまうといけないから、あらかじめ謝っておこう」

この夜はブレイディのためのものだった一方で、かつてブレイディとともにスーパーボウル時代最強のNFL王朝を築いた、ペイトリオッツの元ヘッドコーチ(HC)ビル・ベリチックがジレット・スタジアムに戻ってきたことも注目されている。2023年シーズン終了後にチームを離れたベリチックは、ペイトリオッツファンからの大歓声を受けており、その喝采は明らかに“ザ・フーディ”の異名を持つベリチックの心に響いていた。

そのベリチックは「ニューイングランドの皆さん、愛しているよ。ペイトリオッツファンの皆さん、愛している。そして、トム・ブレイディ、愛しているぞ」と発言。

ベリチックがスピーチを始めようとするものの、ファンはそれを許さず、「ビル! ビル!」という歓声と感謝の大声援が続いた。

「本当にありがとう。こんなに温かく迎えてくれて、どれだけ感謝しているか言葉では表せない。素晴らしいペイトリオッツファンのみなさんに再び会えて、本当にうれしい。ありがとう」とベリチック。

ベリチックは続いてブレイディに感謝の意を表し、ともに過ごした輝かしいシーズンを通じて、自分自身が——そして、その他大勢の人々が——ブレイディから多くのことを学んだと強調し、次のように述べた。

「トムをドラフトして、20年間、彼をコーチできたことは、私にとって大きな名誉であり、特権だった。多くのチームメイトからも聞いたように、彼の卓越性への追求、働く姿勢、情熱、競争心、そして自己犠牲の精神など、彼がチームにもたらしたすべてのことに関わり、毎日彼と一緒に働き、それから学ぶことができたのは本当に光栄だった。彼の素晴らしいプレーについて話し始めたら、正直に言って、夜通し話しても来週の半ばまでかかるだろう」

ブレイディがタンパベイ・バッカニアーズに移籍し、その輝かしいキャリアの最後を過ごして以来、ブレイディとベリチックの間に不和があったといううわさが絶えなかった。ブレイディはその誤解を解くために全力を尽くし、かつてのヘッドコーチへの感謝の気持ちを次のように力強く伝えた。

「はっきり言わせてほしい。私は世界中のどのコーチよりも、ビル・ベリチックの下でプレーしたいと思っている」

ペイトリオッツは次のように『X(エックス)』に投稿した。

「史上最高の選手が正式に@TheHallに おかえり@TomBrady!」

「No.12が永久欠番に」

【KO】