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今後の展望と引退時期について語るスティーラーズLBワット、「その時が来るまで分からない」

2024年06月17日(月) 14:08


ピッツバーグ・スティーラーズのT.J.ワット【AP Photo/Matt Rourke】

節目には内省が伴うことが多い。ピッツバーグ・スティーラーズのラインバッカー(LB)T.J.ワットにとって、2024年シーズン中に迎える30歳の誕生日は、これまでのフットボールキャリアを振り返るためのそうした機会となりそうだ。

2017年にリーグ入りしてから、ワットは殿堂入り間違いなしのキャリアを歩んできたものの、所属チームがプレーオフでワット個人と同じようなレベルの成功を収めたことはない。それに対する苦悩を解消することが、NFLでの8シーズン目を迎えるにあたって、ワットの優先事項となっている。

『The Athletic(ジ・アスレチック)』によると、ワットは最近、「俺にとっては、プレーオフで勝っていないことがすべてだ」と語ったという。

「できることは何でもしようとしている。毎年、入れ替わりが激しいし、新しい選手も多いから、リーグ入りしてから優勝経験のある、他チームから来た選手たちから、できるだけ多くのことを学ぼうとしている」

「勝つためにできることは何でもするさ。毎日を当たり前だとは思わずに、実際にやるべき時が来たら、すべてを差し置いて仕事をやり遂げる」

スティーラーズはその歴史の中で、それなりにプレーオフでの成功を収めており、過去20年間で3回、スーパーボウルに出場(うち2回で優勝)している。しかし、スティーラーズが最後にプレーオフで勝利したのは、ワットがドラフト指名される前の2016年シーズンだ。その後もスティーラーズは一定の成功を収め続け、マイク・トムリンHC(ヘッドコーチ)は就任してから17年連続でチームを勝ち越しシーズンに導いているが、ワットがリーグ入りしてからスティーラーズはポストシーズンで0勝4敗となっている。

直近のシーズンに、ワットはレギュラーシーズンでのサック数(19回)でリーグトップに立ったが、第18週にMCL(内側側副靭帯/ないそくそくふくじんたい)の捻挫に見舞われ、ワイルドカードラウンドには出場できなかった。ワットがサイドラインに下がっていた中で、スティーラーズはバッファロー・ビルズに31対17で敗れている。

チームがポストシーズンで苦戦する責任がワットだけにあるわけではないが、ワットはチームの成功を切望しており、それが秋に向けての最優先事項であることに変わりはないようだ。

とはいえ、ポストシーズンでの勝利という究極の目標に向かって努力する中で、ワットは自分自身の将来や、30代に突入して引退の話が出てくる可能性もある中で、これからの数年間がどのようなものになるかについても考えている。

スティーラーズと2025年シーズン末まで契約を結んでいるワットは、2024年シーズン終了時に契約延長の資格を得ることになる。ケガに悩まされた2022年シーズンには一時的に、一流のパフォーマンスを今後数年間にわたって維持できるかが不安視されていたワットだが、2023年シーズンにはディフェンス部門年間最優秀選手賞の投票で2位につけるなど、見事な復活を遂げてそうした疑問の声を封じ込めている。

ワットの生産性が落ちる気配はない。引退時期に目星がついているわけではないが、ワットは自分が望む限り、NFLで高いレベルのパフォーマンスを発揮し続けられるだろう。

「永遠にプレーしたいかどうかは分からないけど、誰にも分からないことだろ。何とも言えない」と話したワットはこう続けている。

「J.J.はずっと、めちゃくちゃ長くプレーしたくはないと言っていたのに、結局は長くやっていた。その時が来るまで分からない。今は絶好調だし、その瞬間を楽しんでいるって感じ」

兄のJ.J.ワットは12シーズンで114.5回のサックを記録した後、2022年シーズン終了後に33歳で引退した。

T.J.ワットがその年齢を超えるか、あるいはその記録を超えるかは分からない。ワットは現時点で96.5回のサックを記録している。しかし、これからもキャリアを積み続けられると保証されているわけではないことを理解した上で、重要な場面でチームと共に勝利することで、残された出場機会を――それがどれほど多くても――最大限に生かしたいと考えているワットは、次のようにコメントした。

「いつまでもプレーできるわけじゃない。俺はいつもその瞬間を大事にして試合に臨んできたし、それを当たり前だと思ったことは一度もない。それはまったく変わっていないことだ」

【RA】