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昨季の出場経験を生かし、QBバロウのバックアップとして自信を深めるベンガルズQBブラウニング

2024年06月20日(木) 12:23

シンシナティ・ベンガルズのジェイク・ブラウニング【AP Photo/Gene J. Puskar】

クオーターバック(QB)ジョー・バロウが1シーズンに10試合以上先発したとき、シンシナティ・ベンガルズはプレーオフに進出した。バロウが先発しなかったとき、ベンガルズはポストシーズンを逃している。

昨シーズンは9勝8敗に終わったものの、2024年シーズンに向けてスーパーボウル優勝候補の一角を維持しているベンガルズにとって、バロウが最も重要な存在であることは明らかだ。しかし、仮にバロウが来るシーズンに欠場したとしても、ベンガルズは昨季より良い状態にあるかもしれない。

バックアップQBのジェイク・ブラウニングは、レギュラーシーズン中に出場機会を得るまで、ベンガルズの練習生や控え選手として2年以上も過ごしていた。しかしながら、いざ出場してみると、ブラウニングは急に注目を浴びるようになっている。かつてドラフト外フリーエージェント(FA)としてNFL入りを果たしたブラウニングは、バロウの代役として昨シーズンの最後の7試合に先発出場し、その実力を十二分に発揮した。

ブラウニングはベンガルズを率いて4勝を挙げ、パス成功率でも実際にNFLトップの70.4%をマーク。また、タッチダウンパス12回、タッチダウンラン3回を記録したブラウニングは、先発1試合あたりの平均パスヤード(266.9ヤード)で、昨シーズンにバロウが残した数字(230.9ヤード)を上回った。

大学で50試合以上に先発出場したブラウニングは、他の選手が自分の前でクオーターバックをプレーするのを座って見ていることに慣れていない。しかし、『SiriusXM Radio(シリウスXMラジオ)』に出演した際、ブラウニングは2021年と2022年にバロウがスナップの大半を占める中でその動きを観察し、多くのものを得たと語った。

「彼がプレーする様子を見て、たくさんのことを学んだのは間違いない」とブラウニング。

その一方、ブラウニングは昨シーズンの予想外の経験を経て、今では自分とバロウが互いに助け合える段階に来たと考えている。

ブラウニングはバロウとは“本当にいい関係を築けている”と明かしたが、昨シーズンにNFLでの初めての本格的な出場経験を経て、これまで見えなかったことが見えるようになった今、その関係をさらに発展させることができるようになっている。もしかすると、バロウもブラウニングから学ぶことがあるかもしれない。

ブラウニングは「もちろん、(バロウは)信じられないほど素晴らしい選手だ。彼はNFLでもトップクラスだし、それに異論を唱える人はいないだろう。でも、俺にも強みがある。彼が“ああ、そうか、こういうやり方もあったのか”と思うような部分もあると思うんだ」と言い、こう続けた。

「それに、こういう会話のやりとりもある——自分はこれまでも役に立っていたけれど、今は“俺は実際にこのオフェンスでプレーして、攻撃の起点となる役割を果たしたんだ”という、まったく別のレベルの会話ができるようになった。だから、彼が何か心配事を抱えたとき、それに共感して話し合うことができるんだ」

バロウは昨季に負ったシーズン終了を告げるケガの修復手術からまだ完全には回復していない。先日、バロウは自身の“フットボール選手としての寿命”について率直に語り、リハビリの取り組み方やフィールドへの復帰のタイミングについて、より慎重に行動したいと考えていると明かした。

だからといって、ベンガルズがバロウの復帰とスタークオーターバックとしての再出発に対する期待を捨てたわけではない。その点では何も変わっていない。しかし、ブラウニングは昨季に起こった不運なできごとと、その結果としての自身のキャリアの大きな転機が、最終的に今季のベンガルズの究極の目標——誰がクオーターバックであろうと、スーパーボウルを制覇すること——に役立つかもしれないと考えている。

ブラウニングは「俺と彼にとって本当にいいことだったと思う。オフシーズンの間にできるだけ上達して、全員が目指すところに到達し、同じ方向を向いて、一緒に挑戦しようということさ」とコメントした。

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