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「汚れた洗濯物」のように放り出されなければフットボールは「もっと楽しくなる」とバッカニアーズQBメイフィールド

2024年07月14日(日) 10:49


タンパベイ・バッカニアーズのベイカー・メイフィールド【AP Photo/Chris O'Meara】

クオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドは昨シーズンを素晴らしい形で終えた。

突如としてジャーニーマンとなり、2年間で4つ目のチームに加入して伝説的な元QBトム・ブレイディの後任となったメイフィールドは、タンパベイ・バッカニアーズで自分の幸せとホームを見出し、驚くべきことにバッカニアーズを3年連続となるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)南地区制覇と、NFCディビジョナルラウンド進出に導いた。

現地11日(木)、メイフィールドは『Mike Calta Show(マイク・カルタ・ショー)』で「汚れた洗濯物のように違う場所に放り出されることがなくなれば、もっと楽しくなる。これは確かだ」と話している。「だから、タンパで受け入れられたとき、世界が変わった。俺はいつも楽しむためにプレーしてきた。もちろん、これはゲームだし、自分の仕事でもあるんだけど、すごく好きなんだ。俺はいつも感情を表に出してきて、みんなにもそれを受け入れてもらっている。だからこそ、タンパでこれから何年も過ごして、みんなに自分のことをもっと知ってもらって、フィールドでの振る舞いがただの見せかけではないことに気づいてもらいたい。フットボールに関して言えば、それが本当の自分なんだ。フットボールを愛している。チームのためなら何でもするし、ロッカールームのみんなもそれを分かっている」

現在、バッカニアーズに所属しているメイフィールドは、クリーブランド・ブラウンズからドラフト全体1位指名を受けてキャリアを開始し、2020年シーズンにはブラウンズに26年ぶりとなるプレーオフ勝利をもたらしている。しかし、メイフィールドのブラウンズ時代はそこから1年しか続かず、ブラウンズでの4シーズン目を終えた後にカロライナ・パンサーズにトレードされた。メイフィールドはそこで先発職を手に入れ、7試合で先発を務めたが、2022年12月にチームから放出されている。

その後、ロサンゼルス・ラムズに迎え入れられたメイフィールドは、移籍した2日後に臨んだラスベガス・レイダース戦で、試合終了まで残り2分を切ったところで98ヤードの決勝ドライブを指揮し、見事な勝利をもたらした。そうした英雄的な活躍と、その後の4試合で安定したプレーを見せたことで、再び脚光を浴びたメイフィールドは、2023年にバッカニアーズに加入している。

そこでの1年間で、キャリア初となる4,000パスヤード超えを達成したメイフィールドは、自身初のプロボウル選出を果たした。

メイフィールドはバッカニアーズの組織からの信頼を獲得。ジェネラルマネジャー(GM)ジェイソン・リヒトは今オフシーズンにメイフィールドと3年1億ドル(約157億8,250万円)の契約を結ぶことでそれを明らかにした。

メイフィールドにもたらされた安定はそれだけにとどまらない。バッカニアーズは今オフシーズンにワイドレシーバー(WR)マイク・エバンスやセーフティ(S)アントワーヌ・ウィンフィールドJr.など、複数の選手と再契約。また、メイフィールドの大学時代のチームメイトであるWRスターリング・シェパードを迎え入れ、2年の時を経てフリーセーフティ(FS)ジョーダン・ホワイトヘッドを呼び戻すなど、いくつかの再会も実現させている。

メイフィールドはバッカニアーズでの初年度について「あんなにうまくいって、これ以上ないほど幸せだ」とコメント。「もちろん、何人かの選手を呼び戻して、去年に積み上げたことをさらに継続していくことになるし、彼らの運営方法には上から下まで、居心地の良さを感じる。ほとんど同じメンバーで次のシーズンに臨み、それを心から受け入れながら、さらにチームの団結を深めていくのが楽しみだ」

とはいえ、4年連続の地区制覇を目指すバッカニアーズには全員が戻ってくるわけではない。メイフィールドの才能を解き放つ上で、特に重要な役割を果たした攻撃コーディネーター(OC)デイブ・カナルスはライバルのパンサーズでヘッドコーチ(HC)に就任した。

カナルスの退団はバッカニアーズがリアム・コーエンOCの下で新しいオフェンスを学ばなければならないことを意味している。コーエンはメイフィールドとラムズで短期間だけ交流があったが、ほとんどの選手にとってはなじみがない存在だ。コーエンはバッカニアーズにとってこの3年で3人目の攻撃コーディネーターになると同時に、メイフィールドにとっては――ラムズでの5試合で共に戦ったことを含めて――2018年以降で7人目の攻撃コーディネーターとなる。

キャリア全体と、ここ数年の“汚れた洗濯物”時代を通じて、一貫して変化を経験してきた29歳のメイフィールドは、何を予期すべきかを十分に理解した上でリーダーシップを発揮できるはずだ。

さらに、メイフィールドは旧友のカナルスを含め、NFC南地区を制したい者が誰を倒さなければならないかを理解している。

「誤解しないでほしい」と強調したメイフィールドは「今もこの地区の中心は俺たちだ」と続けた。

【RA】