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パッカーズとQBラブが4年約353億で契約延長に合意

2024年07月27日(土) 11:48


グリーンベイ・パッカーズのジョーダン・ラブ【AP Photo/Michael Ainsworth】

アーロン・ロジャース時代から移り変わって1年と少し、グリーンベイ・パッカーズはNFLでも高額年俸を受け取るクオーターバック(QB)の1人、ジョーダン・ラブを手中に収めている。

『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが現地26日(金)に報じたところによると、パッカーズがラブと4年総額2億2,000万ドル(約353億6,408万円)の契約延長を結ぶという。ラブの契約には過去最大級の7,500万ドル(約116億7,496万円)の契約ボーナスも含まれている。

『Athletes First(アスリート・ファースト)』のデイビッド・マルゲタとアンドリュー・ケスラーが交渉を担当したラブの高額契約は年平均5,500万ドル(約85億5,764万円)に上り、5月に契約書に調印したジャクソンビル・ジャガーズのトレバー・ローレンス、シンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウと並び、高騰するQB市場の頂点に立つ。

契約成立までトレーニングキャンプの練習を欠席していたラブは契約が合意に達したことで、フィールドでのチームメイトとの仕事を再開する。

今回の契約はラブが先発として初めて挑むシーズンを前にパッカーズとラブが縮小版の妥協案に合意してから1年後に実現した。25歳のラブが自らに賭けて大金を勝ち取った格好だ。

2023年シーズンのラブは5年目のルーキーオプションの資格を有していたものの、それまで1試合しか先発したことがなかったことから、パッカーズは2,072万ドル(約31億8,573万円)の値札を避け、代わりに保障額1,350万ドル(約20億7,564万円)を含む1年契約でラブとの関係を延長していた。

ラブは昨季、タッチダウンパス32回でNFLランキング2位、パスヤードは7位(4,159ヤード)に入り、パサーレーティング96.1は11位につける成績だった。リーグで最も若いチームながら、ラブはパッカーズをポストシーズンに導き、ほぼ完璧なパフォーマンスでカウボーイズに完勝、ワイルドカードの勝ち星を手に入れている。こういった活躍もあって、2024年のベースサラリーに500万ドル(約7億6,875万円)を上乗せした。

パッカーズとしては、さらに数年の保証と数億ドルのキャリア収入を追加することが妥当と判断したのだろう。

過去数年にわたり、パッカーズを苦しめてきたクオーターバック事情の不確実性に決定的な終止符を打つ一方で、パッカーズのラブに対する莫大な投資でもある。

常にこの結末が確実だったわけではなく、2023年時点では、まさにあり得ないものと考えられていた。

2023年シーズン序盤9試合でラブは2,092パスヤード、タッチダウン14回、インターセプト10回、パサーレーティング80.5、パス成功率58.7と苦戦。パッカーズは3勝6敗の戦績で低迷し、オフェンスのアイデンティティは乏しく、一貫性もなかった。

ところが、ある日、唐突にピタリとはまる瞬間が訪れたのだ。レギュラーシーズン後半の8試合ではパス成功率を70.3%に上げ、パサーレーティング112.7、2,150ヤードを投げてタッチダウンとインターセプトの比率は18対1を記録したラブ。

前述したポストシーズンのカウボーイズ戦ではパス21回を投げて失敗はわずか5回にとどまり、272ヤード、タッチダウン3回をマークしてパサーレーティング157.2の成績を残している。賭けに出たラブはシーズン終了まで貫き通したように、ボールを死守し続けた。

ただ、ポストシーズンの次戦で対決したサンフランシスコ・49ersとの試合ではレギュラーシーズン序盤に露呈した姿を垣間見せ、ディビジョナルラウンドで敗退してしまった。シーズン第6週以降では最低となる192ヤードだったことに加え、試合序盤には最悪のインターセプトで失態を演じ、終盤にも再び不必要なプレーでボールを奪われている。

それでも、パッカーズはその失望をラブの明るい未来につながる学びの場面として明確に捉えているようだ。

将来を確実にした今、それぞれのポジションに才能あふれるメンバーが揃い、その各人の能力を最大限に引き出せるマット・ラフルアーが指揮官を務める若きオフェンスを率いる立場として、ラブは2024年以降の戦いに挑む。

ラブがチームの期待するような選手であることを証明し続ければ、パッカーズは3人連続して長期政権を築けるフランチャイズクオーターバックを確保したと言える。