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コマンダースQBダニエルズが初めて臨んだプレシーズンゲームでタッチダウンドライブを演出

2024年08月11日(日) 12:33


ワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズ【NFL】

現地10日(土)、新人クオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズがキャリアで初めて臨んだプレシーズンのドライブは、ワシントン・コマンダースにとってこの上なく素晴らしいものとなった。

ドラフト全体2位指名を受けたダニエルズは最初のパスを急いで投げた結果、ランニングバック(RB)オースチン・エイケラーを狙ったスクリーンパスを高く上げてしまい、インコンプリートとなっている。しかし、2回目のパスは見事だった。

第3ダウン残り6ヤードの場面で、ダニエルズは落ち着いてポケットに身を置き、相手セーフティ(S)の視線をそらせてから、美しい弧を描くパスをワイドレシーバー(WR)ディヤミ・ブラウンに投げて42ヤードのゲインに成功している。

ダニエルズはそのプレーで多くのヤードを獲得するために、事前に決めていたプレーを直前に変更していたことが判明している。

『The Washington Post(ワシントン・ポスト)』のニッキー・ジャブヴァーラによると、コマンダースのガード(G)サム・コスミは試合の中継でダニエルズについて「彼はプレーの途中で変更した」と話したという。「それが大きなゲインにつながった。俺たちは集中してしっかりやったし、彼は冷静で落ち着いていた。それはまさに理想的な姿だったし、本当に感心した。サイドラインに座ったときにみんなが“すごい、めちゃくちゃ楽しかったな”って感じだった。だから、あのちょっとした場面だけでみんなすごく興奮しているはず。自分もそうだし、みんな燃え上がっている。俺たちの後ろにはあいつがついている」

コマンダースが最終的に20対17で敗れた後、プレーの変更について質問されたダニエルズは、次のように答えた。

「ああ、あれは練習を通じて、ここで過ごしてきた時間を通じて、クリフ(キングスベリー、攻撃コーディネーター/OC)が“もしこの配置が気に入らなかったら変えろ”って言っていたからやったことだ。つまり、相手が特定の位置についていて、こっちがプレーを実行しようとしていたときにそれが気に入らなかったから変えたんだ」

しかし、コマンダースのヘッドコーチ(HC)ダン・クインは報道陣に対し、正確に言うとダニエルズはプレーを変更する許可を得たわけではないと明かしている。

クインHCは1980年代を代表するトム・クルーズの映画を引き合いに出して「“トップガン”を思い出した」と語った。「“管制塔の側を飛ぶ許可をもらえる? だめだ、ゴーストライダー。着艦パターンを守れ”というやつだ。つまり、あのとき彼は許可ではなく許しを求めていたんだと思う。そして、完ぺきなパスをディヤミに向かって投げた。本当にクールなプレーだった。あれは彼にとって意識とかチェックとか、そういうことを説明する良い例になったと思う。彼は許可を求めず、とにかく前進して管制塔のギリギリを飛んだ。あれは本当にクールなプレーだった」

このパスで落ち着いたダニエルズは、ハドルをうまく管理し、余裕を持って配置についた。そして、WRテリー・マクローリンにショートパスを通し、わずかに前進している。

その後、ダニエルズはサード・アンド・ゴールの場面で、ゾーンリードプレーで簡単にタッチダウンランを決め、脚力も自分の武器であることをリーグ中に思い出させた。

ハイズマントロフィーを獲得した経験のあるダニエルズは、並外れたタッチダウンドライブを演出した後にマーカス・マリオタと交代している。ダニエルズはこの試合でパス3回中2回を成功させて45ヤードを記録した。

それはクインHCが望んだ通りのデビュー戦だったと言えよう。ダニエルズは最初のパスで見せた不安定さを振り落とし、オフェンスをうまく動かして第3ダウンでビッグプレーを生み出し、自身のデュアルスレット能力を見せつけたのだ。

確かに、それはニューヨーク・ジェッツのバックアップ選手たちを相手にしたプレシーズンでの1ドライブに過ぎないが、ダニエルズはNFL選手になる前から持っていた抜群の才能をすべて披露している。ワシントンD.C.の雰囲気は良好だ。

【RA】