新人RBバキの成長を感じるライオンズHCキャンベル
2024年08月20日(火) 13:55デトロイト・ライオンズの新人ランニングバック(RB)シオネ・バキは、すでにヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベルのタイプに合った選手として注目されている。
ユタ大学で攻守両面でプレーしていたバキは、キャンベルHCのシステムに完璧にフィットする、タフで力強いスタイルを見せている。現地17日(土)に行われたカンザスシティ・チーフス戦での初ランプレー後、バキはフェイスマスクが取れた状態で、選手たちが重なり合った中から立ち上がった。その姿がさらに、自身の新しいコーチの心をつかんでいる。
チームの公式記録によると、ライオンズがアウェーでチーフスに24対23で勝利した後、キャンベルHCは「ある時点で、彼のフェイスマスクが外れたんだ。いったいどうしてそんなことが起こるのか、私にはまったく分からない。だって、ここはNFLだぞ。地面に転がっているなんて」と述べたという。
キャンベルHCの発言は、ぜひ 頭の中で“Bill Brasky Saturday Night Live(ビル・ブラスキー・サタデーナイト・ライブ)”の寸劇風に再現してほしい。
「バキは第1クオーターの最後のランでフェイスマスク全体を失っていたみたいだ」
so Vaki lost his entire facemask on final run of the first quarter pic.twitter.com/E6CzWAMuL8
— Ryan Mathews (@Ryan_POD) August 17, 2024
大学キャリアのほとんどをセーフティ(S)としてプレーしていたバキは、ケガに見舞われた昨シーズンの最後の6試合でのみ、ユタ大学のバックフィールドに加わった。しかし、その短期間における活躍を見たライオンズのジェネラルマネジャー(GM)ブラッド・ホームズとほかのスタッフは、バキが有能なランニングバックになれると確信。ライオンズはドラフト4巡目でバキを指名した。
プレシーズンの2試合を通して、バキは輝きを見せている。ニューヨーク・ジャイアンツとのプレシーズン初戦では、バキはライオンズの最も効率的なランナーとなり、キャリー4回で29ヤードを獲得(1回あたり平均7.3ヤード)。土曜日に行われた試合ではパスキャッチ能力を見せ、前半終了間際のドライブでレシーブ4回、60ヤードを記録している。
ランニングバックのポジションではまだ新人であるにもかかわらず、バキの本能的な動き、タックルを突破する力、そしてパスゲームでの活躍は目を見張るものがある。
キャンベルHCは「現時点では、彼についてわれわれが何をやっていくかを話すのは時期尚早だと思う」語り、次のように続けた。
「選手についてより多くを知り、何ができるかをより早く見極めれば、みんなにとってもより良いことだ。彼はスペシャルチームでプレーできる能力があるとすでに感じていた。今度は、オフェンスでも使えるだろうか、といったところだ。彼はフットボールをキャリーすることよりも、その部分でずっと進んでいる。その多くはまだやっていないからだ。キャリー、プレーのビジョン、カット、リードなどだ。だが、パスゲームでは一歩前進したと思う。彼も同じような状況にある選手の1人だ。試合終了間際の2ミニッツドライブは素晴らしかった。彼はプレーを決めて、疲れていたのに、それでも続けて自分を追い込んでいた。彼の成長を感じたよ」
キャンベルHCの称賛の中には、ここ数年のライオンズの成功の鍵が隠されている。それは「選手についてより多くを知り、何ができるかをより早く見極めれば、みんなにとってもより良いことだ」という言葉だ。
多くの場合、コーチたちは四角いペグを丸い穴に無理やり押し込もうとし、選手にチームのニーズに合わせるよう強要する。しかし、本来は選手の特性を活かしつつ、選手を調整してスキルに最も適したポジションに配置することが重要だ。最高のコーチはその両方を融合させ、白黒はっきりさせるのではなく、グレーの領域でバランスを取る。
バキはおそらくルーキーシーズンを通してスペシャルチームでプレーし、RBジャーマイア・ギブスやデビッド・モンゴメリーの控えとして過ごしながら、そのポジションについて学び続けることになるだろう。しかし、バキはキャンプやプレシーズンで成長とポテンシャルを見せているため、上位2人のランニングバックのどちらかが負傷した場合、コーチングスタッフは安心してバキを試合に投入できるはずだ。
【KO】