パリ五輪400mH金メダリストのライ・ベンジャミンが練習前のジャイアンツを訪問
2024年09月05日(木) 13:031週間前、センセーションを巻き起こしている新人ワイドレシーバー(WR)マリク・ネイバースのために、永久欠番だった背番号1番を復活させたニューヨーク・ジャイアンツは、現地4日(水)に再び同じことを行った。
ジャイアンツはオリンピック陸上競技のスターで、幼い頃からジャイアンツのファンであるライ・ベンジャミンに背番号1を贈った。ニューヨーク州マウントバーノン出身のベンジャミンは、パリオリンピックの400メートルハードルで金メダルを獲得し、その12時間後にはアメリカ代表の4×400メートルリレーでアンカーを務め、もう1つの金メダルを獲得している。
日曜日にメットライフ・スタジアムで行われるミネソタ・バイキングスとのシーズン初戦に向けて準備を進めているジャイアンツの選手たちとともに、ベンジャミンは楽しい時間を過ごした。
「1日契約でいいから頼むよって言ったんだ」と語ったベンジャミンは、ジャイアンツのジェネラルマネジャー(GM)ジョー・シェーンからジャージを受け取っている。
今シーズンにその背番号を着けるために、ネイバースは殿堂入り選手でレシーバーだったレイ・フラハティの家族から許可を得なければならなかった。
ジャイアンツが1935年に背番号1番を永久欠番にした時、それはプロフットボールで初めて永久欠番になった背番号だった。
メディアと話しながらチーム本部から出てきたシェーンGMは、新しいジャージを 着た27歳のベンジャミンがメディアと話しているのを見かけた。シェーンGMは南カリフォルニア大学出身のベンジャミンを呼び寄せ、ヘルメットとクリーツも欲しいかと質問。
「からかわないでよ」と笑いながら返答したベンジャミンは、トレーナーに20ドルを渡してクリーツをもらおうとした、と冗談で話している。
真剣な表情に戻ったベンジャミンは、自分にはNFL選手のようなことはできないと明かす。高校時代はレシーバーとセーフティ(S)でプレーしていたが、フィールドの中央を突っ切ってパスをキャッチすることは絶対にしなかったという。
2021年に開催された東京オリンピックの400メートルハードルでも銀メダルを獲得したベンジャミンは「彼らはこれに人生をかけてトレーニングしているけど、俺はぐるぐる走っているだけだ」とコメント。
何人かの選手が自分と競争しようと申し出てきたと話したベンジャミンは、南カリフォルニア大学時代の陸上チームメイトだったコーナーバック(CB)アドリー・ジャクソンが、今でも自分の方が速く走れると信じているかもしれないと聞いて笑った。
「彼はそう思っていないんじゃないかな。でもアドリーのことだから、そう思ってるかもね」と語るベンジャミンはこうつけ加えている。
「それで、“今すぐ靴ひもを結んで勝負してみようぜ”とか言うんだろうな」
練習後、ジャクソンはベンジャミンの得意種目では勝てないことを認めている。
その一方で、ジャクソンは「走り幅跳びなら問題なく勝てる」と話し、大学時代に約7.9メートルを記録したとつけ加えた。
お気に入りのジャイアンツの選手について聞かれた際、ベンジャミンがリストのトップに挙げたのは、2度のスーパーボウルMVPに輝き、2度にわたりタイトルゲームでニューイングランド・ペイトリオッツのクオーターバック(QB)トム・ブレイディを打ち負かしたQBイーライ・マニングだった。
ベンジャミンは「トム・ブレイディのことは尊敬しているけど、スーパーボウルで俺のGOAT(史上最高)にはならないよ」とコメントし、インタビュー後に金メダルの1つを披露した。
ベンジャミンは2007年シーズンのスーパーボウルで決勝キャッチを決めたWRプラキシコ・バレスを続けざまにお気に入りのジャイアンツの選手のリストに加え、そのほかにもランニングバック(RB)ブランドン・ジェイコブス、殿堂入りのディフェンシブエンド(DE)マイケル・ストレイハン、WRビクター・クルーズ、WRオデル・ベッカムの名前を挙げた。
同じアスリートとして尊敬しているのは、選手たちの献身と犠牲を払う姿勢だと明かしたベンジャミンは、次のように話している。
「その立場にいることがどういうことか、俺にはよく分かる。のしかかってくるプレッシャーと期待がどれほどのものか知っているし、そういう状況の中で結果を出さなきゃならないっていうのは、本当に大変なことも知っている」
記事提供:『The Associated Press(AP通信)』
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