今季初戦を前に安定感を強調するジェッツQBロジャース、「プロセスを信じる」
2024年09月06日(金) 12:12アーロン・ロジャースが2023年9月11日以降で初めて、ニューヨーク・ジェッツのクオーターバック(QB)としてレギュラーシーズンの試合に臨む。
月並み以上のクオーターバックのプレーに飢えていたファンにとって、待ちに待った瞬間が訪れる。もしロジャースが、これまで20年間にわたって見せてきたエリート級のパフォーマンスを発揮できれば、彼がジェッツの一員になった瞬間から熱心なファンたちが抱いていた夢が現実となるだろう。
とはいえ、これは『Madden NFL(マッデンNFL)』のように、プレーヤーがクオーターバックを選んでプレーさせるという単純なものではない。ロジャース自身もそのことをよく理解しており、それに応じた準備を重ねてきた。
現地5日(木)、サンフランシスコ・49ersとの開幕戦を前にロジャースはこう語った。
「最も重要なのはメンタルの部分だ。精神を整えないといけない。これは大変な作業だ。シーズンは長く、浮き沈みが多い。自分自身をしっかりと準備し、波に飲まれないようにしなければならない」
「チームの安定の柱となる方法を見つける必要がある。シーズン中には必ず困難が訪れるから、調子が良い時に浮かれ過ぎず、悪い時に落ち込み過ぎないようにしなければならない。そういう状況にどう対処するかが重要なんだ」
しかしながら、現段階で多くの人々が心配しているのはロジャースのメンタル面ではない。彼らが懸念しているのは、アキレス腱を断裂した40歳の未来のプロフットボール殿堂入り選手が、フィジカルの部分で試合に対応できるかどうかだ。
ロジャースが準備万全かどうかを知っているのは、トレーニングキャンプやプレシーズンの練習をともにしてきた人たちだけで、ヘッドコーチ(HC)のロバート・サラーもその1人だ。
「彼は非常に良い状態にあると思う。メンタル面だけでなく、フィジカル面でも素晴らしい」とサラーHCは木曜日に語り、自信をのぞかせた。
「彼はしっかりと準備してきたし、これまで通り集中を保ち続ければ問題ない。彼はプロフェッショナルで、長年これをやってきた選手だ。40歳とは思えないプレーを見せてくれるだろう。だから、何も心配していない」
ロジャースやサラーHCがどれだけ言葉を尽くしても、この不安を完全に払拭することはできない。ロジャースが疑念を覆すことができるのは、フィールド上でのプレーによってのみだ。その最初の機会は、マンデーナイトに行われるNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のディフェンディングチャンピオンとの対戦で訪れる。たとえその試合がうまくいかなくても、ロジャースは辛抱強く待ってほしいと呼びかけた。
「もし俺たちが勝てば、“スーパーボウルに行くぞ”という見出しが出るだろうし、負ければ“今までと変わらないジェッツ”と書かれるだろう」とロジャースは述べている。
「だから、そういった外部の声をなるべくシャットアウトして、自分たちのプログラムを信じるべきだ。シーズン第1週でうまくいけば、その後のシーズンもそれで十分に戦えるはずだ。プロセスを信じて、優れたコンペティターであり続け、プロフェッショナルとしてフィールドに立ち、あとは成り行きに任せるしかない」
ロジャース個人の成り行きも注目を浴びている。40歳でまだプレーできるのかと疑問視する声が飛び交う中、ロジャースはNFLであとどれくらいプレーできるか分からないと率直に語ったことで、自分に不利な状況を作ってしまった部分はあるものの、周囲の疑念に屈するつもりはまったくないようだ。
「何かに挑戦せずにどうやってプレーするんだ?」とロジャースは問いかけ、さらにこう続けた。
「俺はいつも何かを背負ってプレーしてきた。時には自分でそういう状況を作り出すこともある。でも、最終的には証明しなければならない。誰に証明する必要があるのか? 今となっては俺自身に対してだけだ。でも、俺は自分のパフォーマンスに誇りを持っているから、フィールドに立ったときには、これまでと同じように偉大なプレーができると思っている。それが自分に課している基準なんだ」
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