カウボーイズとQBプレスコットが4年342億円の契約延長に合意
2024年09月09日(月) 10:08クオーターバック(QB)ダック・プレスコットとダラス・カウボーイズが現地8日(日)にシーズン初戦として臨んだクリーブランド・ブラウンズ戦を前に、4年2億4,000万ドル(約341億5,680万円)の契約延長に合意したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが情報筋の話をもとに報じた。
ラポポートとペリセロによると、プレスコットの契約には2億3,100万ドル(約328億7,592万円)の保証と8,000万ドル(約113億8,560万円)のサインボーナスが含まれるという。その後、カウボーイズがプレスコットの契約延長を正式に発表した。
新契約により、プレスコットはそれぞれが年平均額が5,500万ドル(約78億2,760万円)となる延長契約にサインしたシンシナティ・ベンガルズのジョー・バロウやジャクソンビル・ジャガーズのトレバー・ローレンス、グリーンベイ・パッカーズのジョーダン・ラブといった選手を上回り、NFL史上最高額の6,000万ドル(約85億3,920万円)の年平均額を手にすることになる。
プロボウルに3回選出された経歴を持つプレスコットは35歳で迎える2028年シーズンの末までカウボーイズにとどまる見込みだ。プレスコットにとって、今回の契約延長は2016年NFLドラフトの4巡目でカウボーイズに指名されてから2回目のものとなる。プレスコットは2021年に4年1億6,000万ドル(約227億7,120万円)の契約を結んだ。
チーム公式サイトによると、オーナーのジェリー・ジョーンズは「保証金が意味するのは、今後5年間にわたる未来への大きなコミットメントだ」と述べたという。
「私の在任期間中にダックがうちのクオーターバックであり続けると思っている部分はたくさんある。それはこの契約の条件に限ったことでもない」
プレスコットが昇給を果たし、チームからの信頼を形として示されるのは当然の報いだと言えよう。31歳のプレスコットは2023年にキャリア最高のシーズンを過ごし、パス成功数(410回)とタッチダウンパス数(36回)でリーグトップに輝いたほか、MVP投票では2位となっている。12試合しか出場できなかったにもかかわらず、NFLで最多となる15回ものインターセプトを喫した2022年シーズンから著しく成長したプレスコットは、年齢を重ねるごとに進化していることと、見限るべき選手ではなく、むしろチームの柱として据えておくべき存在であることを証明した。
プレスコットが2025年に無制限フリーエージェント(UFA)になる前に契約することで、カウボーイズはフランチャイズQBが前例のないほど強力な交渉力を持って市場に出るのを避けた。プレスコットにとっては、ノートレード条項に加え、すでに2回フランチャイズタグを指定されていたことが交渉で有利に働いている。カウボーイズが3回目のタグをつけるとなれば、プレスコットに8,000万ドル以上支払うことになり、資金に余裕のあるカウボーイズにとってもその額は大きすぎる負担となっていた。
プレスコットやワイドレシーバー(WR)シーディー・ラム、ラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズのチームでの将来についてはトレーニングキャンプ開始当初から疑問視されていたため、日曜日のニュースはカウボーイズとジョーンズにとって、不安に満ちたオフシーズンに終止符を打つものとなっている。夏の間中、スター選手たちの状態について自信を持っていたジョーンズは、カウボーイズが抱える問題の“曖昧(あいまい)さ”を受け入れていると報道陣に話していた。ジョーンズは先月末に、チームが2024年シーズン開幕前にプレスコットの契約をまとめる必要はないと述べていたが、日曜日の事実上の期限によって行動が促されたようだ。
「実現できてうれしい」と語ったジョーンズはこう続けている。
「これは、まさに今やるべきことだった。準備は整っていたし、非常に重要なタイミングだった。実現させるタイミングを逃したことで、やる価値のあることが実現しなかったという状況を、私はこれまで数多く見てきた。クリーブランドと対戦する初日こそ、実現させる絶好の機会だった」
「私たちは皆、実行に移して“イエス”と言えるところまで進むためのちょっとしたエネルギーを感じていたと思う。ダックがどれほど素晴らしい選手であるかはずっと前から分かっていたし、私がそれを理解していることを皆も理解してくれていることに満足している」
プレスコットやラムと、それぞれ記録的な契約を結んだことで、カウボーイズは重要な2024年シーズンに向けて集中できるようになった。また、オールプロに2回選出された経歴を持ち、常にディフェンス部門年間最優秀選手賞の有力候補となっているパーソンズとの再契約にも注力できるだろう。カウボーイズが今年に5年目オプションを行使したため、パーソンズは2025年シーズン末までチームにとどまる予定だ。そのため、カウボーイズ幹部はさらなる大規模な契約延長を実現させる前に、一息つく余裕を持つことができる。
これで、カウボーイズはようやく、現在と未来のクオーターバックであるプレスコットに“全力を尽くしている”と自信を持って言えるようになった。
【RA】