FAのトップQBとして契約の絶好機を見極めようとするタネヒル
2024年09月09日(月) 11:15このオフシーズン、カーク・カズンズの大型契約や複数のバックアップクオーターバック(QB)のトレード、さらには6人のルーキーがドラフト1巡目で指名されるなど、QB市場は活発な動きを見せた。しかし、その中で契約が決まらずに残ったのがライアン・タネヒルだ。
36歳のタネヒルは、昨シーズン終了後にテネシー・タイタンズとの4年1億1,800万ドル(約168億2,680万円)の契約が満了し、現在はフリーエージェント(FA)として契約に至っていない中で最も注目度の高いQBだ。関係者によると、このオフシーズンを通じてタネヒルには、興味を示す複数のチームから問い合わせが寄せられたという。
それでも、ベテランQBのタネヒルが飛びつくようなオファーはなかったようだ。
タネヒルが家族と離れてもう一度プレーするためには何が必要か?それは、すべての条件がそろった完璧な機会だろう。
関係者によれば、タネヒルが再びフィールドに立つためには、プレーオフ進出を狙えるチームがクオーターバックを必要しており、強力なオフェンシブラインと攻撃力を有していることが条件になるという。もちろん、契約金額も重要な要素となる。
タネヒルは現在、地元のレシーバーたちと投球練習を続けており、体調は万全とのことだが、理想的なチャンスが訪れるかどうかも分からない状況の中、辛抱強くその機会を待つつもりのようだ。
11シーズンのキャリアで総額1億9,500万ドル(約278億2,455万円)を稼いだタネヒルだが、今後の決断においてもお金がカギとなることは間違いない。
タネヒルは、QBを急きょ必要とするチームが、市場に残っていたベテラン選手と契約するのを目の当たりにしている。
2017年、マイアミ・ドルフィンズの先発QBだったタネヒルはACL(前十字靭帯/ぜんじゅうじじんたい)を断裂し、チームはジェイ・カトラーと1年最大1,300万ドル(約18億5,497万円)の契約を結んだ。現在のサラリーキャップが2億5,540万ドル(約364億4,302万円)であることを考慮すると、カトラーの契約は今後タネヒルが結ぶ可能性のある契約の参考となるだろう。
昨シーズンは20人以上のバックアップQBが試合に先発出場している。プレーオフを狙えるチームが先発QBを長期間失う事態になれば、タネヒルに連絡がくる可能性は非常に高いと言えよう。
タネヒルは先日、『The Athletic(ジ・アスレチック)』のポットキャスト番組“Scoop City(スクープ・シティ)”に出演し、ただ履歴書の項目を増やすためにプレーするつもりはないと語った。すべての条件が整わなければ動く気はないという。
「誰かがケガをして、チームが俺に連絡をくれるかもしれない。何が起こるかは分からないだろう?」とタネヒルは7月に話している。
「だから、可能性としては残しておくつもりだ。でも、いつその電話がくるかとピリピリしながら待っているわけではない。今の自分の生活や家族との時間を楽しんでいるよ。もしチャンスがあれば最高だし、その時は全力で挑むつもりだ。でも、その電話をひたすら待っている状況ではない」
【R】