パンサーズQBヤングの「物語はまだまだ続く」とバッカニアーズQBメイフィールド
2024年09月19日(木) 14:29タンパベイ・バッカニアーズのクオーターバック(QB)ベイカー・メイフィールドは、カロライナ・パンサーズからドラフト全体1位で指名を受けるも見限られ、ベンチに下げられたQBブライス・ヤングと同じ道を歩んできた。
デショーン・ワトソンの加入によってクリーブランド・ブラウンズから追い出されたメイフィールドは、2022年にシャーロットに向かい、そこでサム・ダーノルドを抑えて先発の座を勝ち取っている。しかし、ケガを抱えながら不安定なパフォーマンスを見せていたメイフィールドの先発QBとしての期間はわずか5試合で終了。足首の問題で欠場を余儀なくされたメイフィールドは、復帰したときにはP.J.ウォーカーのバックアップになっていた。その後、メイフィールドはパンサーズの一員としてもう1試合で先発を務めたが、カットされ、ロサンゼルス・ラムズのショーン・マクベイHC(ヘッドコーチ)の下でプレーすることになった。
そこから、メイフィールドのキャリアは好転している。チームに加入してから48時間も経たないうちにラスベガス・レイダース戦での勝利に貢献したことで脚光を浴びたメイフィールドは、シーズン終盤にマクベイHCの下で一定の成果をあげた。
2023年にバッカニアーズと1年契約を締結したメイフィールドは、新たに手に入れたポケットでの存在感、ヒットを避ける才覚、優秀なレシーバーたちにボールを分配する能力を武器に活躍。今オフシーズンに最大1億1,500万ドル(約164億7,329万円)に上る3年契約に合意したメイフィールドは、2024年シーズンを迎えても素晴らしいパフォーマンスを継続しており、2週間を通して最も効率的なシグナルコーラーの1人となっている。
現地18日(水)、ヤングの状況に共感しているメイフィールドは次のように語った。
「もちろん、ブライスと同じ時期に経験したわけじゃないけど、クオーターバックは難しいものだ。特に若い選手は、周りにピースがそろっていないと、成功するチャンスは与えられない。才能や頭脳を持ち合わせていても、適切な機会や環境が整っていないことはよくある。俺は今、これまでいた場所よりもはるかに自分に合った環境にいる。他のチームをけなすつもりはないけど、自分を取り巻く環境やコーチ陣が重要なんだ。ブライスに関しては、自分のことのように感じるし、もう一度自分を信じることが大切だ。彼ならできるさ。彼の物語はまだまだ続いていく」
ヤングは2023年にパンサーズで悲惨な状況に置かれていた。オフェンシブラインは精彩を欠き、ワイドレシーバー(WR)は相手との距離をとれない。さらには、ランゲームでも大した助けを得られない状態だった。2024年にそうした状況を改善しようと試みたパンサーズは、オフェンシブラインの補強に資金を投じ、武器となる選手を追加するために資産を活用した。しかしながら、ヤングの苦戦は続くどころか、さらに悪化している。
現在は、パンサーズがドラフト全体1位で指名したヤングに見切りをつけ、期限までにトレードを実行する可能性があるのか、あるいはカロライナで再起を目指す計画にわずかでも望みがあるのかどうかが疑問となっている。
パンサーズのヘッドコーチ(HC)デイブ・カナルスは水曜日に、ヤングのトレードは「真剣に検討していることではない」と報道陣に述べた。
今週に入ってベンチに下げたものの、今もヤングのことを信じていると主張したカナルスHCは、次のようにコメントしている。
「間違いない。これは成長を重視したプログラムだ。成長が止まることはない。彼が参加しているプレーのすべてを評価している。会話を重ね、ブライスを含めた全員に次の一歩を踏み出すよう促している。毎日が成長の可能性と機会だ。だから、私たちは完全にそれに専念している」
あるチームから見限られた後に新たな場所で活躍するクオーターバックはこれまでにもいた。より良い環境がより良いパフォーマンスにつながることがある。バッカニアーズのメイフィールドや、ミネソタ・バイキングスのダーノルド、シアトル・シーホークスのジーノ・スミスを見れば分かるだろう。また、ジャレッド・ゴフはマシュー・スタッフォードのトレードで付属的な存在としてデトロイト・ライオンズに送られたが、現在はデトロイトでファンから熱い声援を受けている。
ヤングの状況は前述したクオーターバックたちと単純に比較できるものではない。ヤングはベンチに下げられる前にわずか18試合しか先発しておらず、そのプレーはより悲惨で、良い兆しも少なかった。
とはいえ、メイフィールドが指摘したように、ヤングの物語はまだ終わっていない。まず疑問となるのは、次の展開がいつどこで始まるかということだ。次に、ヤングがどう反応するかが問題となる。
【RA】