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リベンジゲームと捉えることなく古巣タイタンズに勝利したパッカーズQBウィリス

2024年09月23日(月) 14:26


グリーンベイ・パッカーズのマリク・ウィリス【AP Photo/George Walker IV】

約1カ月前、マリク・ウィリスはテネシー・タイタンズのクオーターバック(QB)で、その将来は不透明だった。タイタンズの一員として最後にニッサン・スタジアムに姿を現したとき、ウィリスは1回のインターセプトと2回のサックを喫している。その9日後、ウィリスはドラフト7巡目指名権と引き換えにグリーンベイ・パッカーズにトレードされた。

しかし、現地22日(日)に古巣に戻ってきたウィリスは、タイタンズが事実上、手放したクオーターバックとはまったく異なる選手のように見え、テネシーで行われたシーズン第3週の試合でパッカーズを30対14の勝利に導いた。

ジョーダン・ラブが膝のケガで欠場する中でパッカーズを2連勝に導いたウィリスは、新たに加入したチームを驚かせている。

ヘッドコーチ(HC)マット・ラフルアーは「彼がこの短期間で成し遂げたことを明確に説明することはできない」と述べ、こう続けている。「誰も理解できないはず。約束する、誰も理解していないとね。分かったつもりになっているかもしれないが、実際には分かっていないはず」

「彼がやってのけたこと。こんなのは一度も見たことがない」

2週連続でターンオーバーなしの試合を展開したウィリスは、タイタンズ戦でパス19回中13回を成功させてキャリアハイとなる202ヤードを獲得。また、第3クオーターの途中にはパッカーズのリードを27対7に広げるタッチダウンパスも通している。

ウィリスはパッカーズが攻撃面で大躍進した試合を、5ヤードのタッチダウンランで締めくくる70ヤードの見事なドライブでスタートさせた。20ヤードや29ヤードのランを披露したウィリスは、6回のランで73ヤードを記録。第3ダウン残り7ヤードの状況で8ヤード走って重要なコンバージョンに成功し、フィールドゴールドライブを継続させる場面もあった。

しかし、ウィリスに話を聞くと、今回の試合はリベンジのためのものではなく、若手クオーターバックとして実力を証明するための1つのチャンスに過ぎなかったようだ。

「どの勝利もすべて同じ価値があると思う」とウィリスは話している。

ワイドレシーバー(WR)クリスチャン・ワトソンはウィリスとは異なる見解を持っている。日曜日にレシーブヤードでチームをけん引したワトソンは、テネシーでウィリスに起こったことを聞き、ウィリス本人がリベンジゲームとは捉えていなかったとしても、自分とチームメイトがウィリスの味方であることを明確にしたかったようだ。

ワトソンは『ESPN』に「彼がリベンジゲームだと思っていなくても気にしない。俺は試合に出て、彼のためにプレーするつもりだ。彼の状況を考えると、ぜひこの試合で勝ってもらいたい。彼が常に謙虚なことも、ありのままでいることも分かっている」と話していた。

ウィリスはインディアナポリス・コルツを制したシーズン第2週に、明らかにチームからコントロールされる中で、激しいラン攻撃をけん引。パッカーズは今回の試合で前回よりもウィリスに合わせた戦術を採用し、彼に対する大きな信頼を示している。

また、ウィリスはタイタンズ時代にトレーニングキャンプで競い合っていたQBウィル・レビスを上回るパフォーマンスを披露。パッカーズがレビスに対して8回のサック、2回のインターセプト(うち1回はリターンタッチダウン)、ファンブルロスト1回を浴びせた結果、タイタンズのブライアン・キャラハンHCにはレビスの先発としての立場に関する質問が寄せられている。

タイタンズはレビスを起用し続ける意向を示しているが、ウィリスをトレードしたことを後悔してはいるのだろうか? パッカーズが今のところ、そのトレードに満足しているのは確実だが、現実的にはラブがすぐにウィリスをベンチに押し戻す可能性がある。とはいえ、ラフルアーHCはウィリスがパッカーズで成し遂げたことの潜在的な重要性を見落としているわけではない。

「彼はうちのチームを活気づけられると思う」と語ったラフルアーHCは「私たちには全員が必要だった」と続けた。

【RA】