3勝0敗ながらも「まだ良いプレーができていない」とチーフスQBマホームズ
2024年09月24日(火) 15:18クオーターバック(QB)パトリック・マホームズ率いるカンザスシティ・チーフスは、現地22日(日)夜にアトランタ・ファルコンズを22対17で下し、2020年以来初めて3勝0敗のスタートを切った。しかし、試合後のマホームズのコメントからは、勝利を収めたチームのQBとは思えない発言が聞かれた。
「自分に対して厳しいことを言えば、まだ良いプレーができていないと感じている。これはスタッツの問題ではなくて」とマホームズはチームの記者団に対して語った。
「チャンスがある時にそれを活かせていないし、パスを狙い通りに出せていない。だから、俺がここで基本に立ち返り、チームメイトを正しいポジションに導くことが大事で、オフェンス全体がもっと高いレベルでプレーしなければならない。相手がボールを簡単に運ばせてくれなくても、俺たちはそれに対応できることを証明しないといけない。おそらく来週のロサンゼルス・チャージャーズ戦も同じような展開になるだろう」
この試合でのマホームズのスタッツは月並みで、39回中26回のパス成功で217ヤードとタッチダウン2回、レッドゾーンでのインターセプトが1回という内容だった。さらに、いくつかのパスミスによってオフェンスの時間が短くなり、ファルコンズに逆転のチャンスを与えている。第4クオーターではファーストダウンを1回も獲得できなかった。
守備陣が終盤に踏ん張ったことで、チーフスは1990年に10勝0敗を記録したサンフランシスコ・49ers以来、スーパーボウル連覇後にシーズンを3勝0敗でスタートした唯一のチームとなった。
「正直、3試合ともあまり良いプレーはできていない」とマホームズは言う。
「それでも勝てているのは、チームの性格や粘り強さのおかげだし、こういった状況を乗り越えてきた経験が活きている」
プレシーズンにハリウッド・ブラウンことワイドレシーバー(WR)マーキス・ブラウンが負傷した影響が、チーフスのパス攻撃に予想以上の影響を与えている。3試合を通じて、チーフスのパス攻撃はWRラシー・ライスに依存している状況だ。
シーズン第3週でマホームズは通算77勝目を達成し、先発した最初の100試合で最も多くの勝利を挙げたQBとなった(これまでの記録はトム・ブレイディの76勝)。
相手ディフェンスがビッグプレーを防ぐために後方に下がっていたため、日曜日の試合でマホームズは短いパスを多用せざるを得なかった。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、39回のパスアテンプトのうち28回は飛距離が10ヤード未満で、そのうち22回のパスを成功させて143ヤードとタッチダウン2回を記録。一方、10ヤード以上のパス成功はわずか8回中4回で、74ヤードとインターセプト1回という成績に終わっている。
今シーズン、チーフスのオフェンスが苦戦している理由の一つに、タイトエンド(TE)トラビス・ケルシーが爆発力を欠いている点が挙げられる。ケルシーはこの試合で5回のターゲット中4回をキャッチして30ヤードという記録にとどまっており、シーズン通算でもキャッチ8回で69ヤードしか稼げておらず、タッチダウンはまだ決めていない。
ケルシーの控えめな活躍について尋ねられたマホームズは、「他のチームが信じられないくらいトラビスのことをリスペクトしている」と切り出し、こう続けた。
「それに値する選手だからこそだが、彼を起用するプレーコールは多いのに、いつも2、3人が彼をマークしているんだ。彼も状況は理解している。彼の素晴らしいところは、自分の活躍よりもチームの勝利を最優先に考えていること。彼がオープンになった時には、できる限りボールを出そうと思っている。その一方で、ラシーが活躍すればするほど、ランゲームがうまく回る。あとはWRゼイビア・ワーシーが絡んでくれば、トラビスももっと自由に動けるはずだ。今は相手チームがトラビスを必死に止めようとしているから、その分他の選手がオープンになりやすい」
オフェンスが本来のリズムをつかむまでには時間がかかるのは珍しいことではない。少なくとも、2年連続スーパーボウルチャンピオンのチーフスは、マホームズとヘッドコーチ(HC)アンディ・リードが2024年に向けた戦略を模索している間にも、着実に勝利を積み重ねている。
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