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レイブンズRBヘンリーを獲得しなかったことに後悔はないとカウボーイズオーナー

2024年09月24日(火) 16:15


ボルティモア・レイブンズのデリック・ヘンリー【AP Photo/Gareth Patterson】

現地22日(日)、ボルティモア・レイブンズのランニングバック(RB)デリック・ヘンリーは素晴らしいパフォーマンスを見せ、ダラス・カウボーイズを相手に151ランヤード、タッチダウン2回を記録した。

ヘンリーがレイブンズのユニフォームを着た状態で、現時点で最高のパフォーマンスを披露したのは、奇しくもオフシーズンにトレーニングを行っていたダラスでのことだった。

チーム公式記録によると、ヘンリーは「自分には高い基準を課している。絶対にここで影響を与えて、自分のプレーで勝利のチャンスをもたらしたいと思っていた」と語り、こう続けたという。

「最初の2週間はちょっと出遅れた感じがする。でも、すでに言ったように、俺たちは一丸となっているし、試合に出て実行し、勝ちたいと思っている。今日はそれができた。ダラスはオフシーズンを過ごす場所だし、オフシーズンの大半でここにいたから、今日は確かにちょっといい気分だった」

レイブンズが0勝2敗と出遅れる中、ヘンリーは毎週タッチダウンを決めてきたものの、シーズン第1週は46ヤード、シーズン第2週は84ヤードの獲得にとどまっていた。しかし、日曜日にはその合計ランヤードを2倍以上に増やしている。

ヘンリーは2015年シーズン第4週にジャスティン・フォーセット(27回)が達成して以来、初めて1試合で25回以上のキャリーを記録したレイブンズのランニングバックとなった。今回の試合でヘンリーは、150ランヤード以上を獲得して2回のタッチダウンランを決めたのが通算12回目となり、その数でラダニアン・トムリンソンに並ぶ歴代2位タイに。歴代1位の記録を持つのはジム・ブラウンだ。

ヘンリーはミネソタ・バイキングスに所属していたエイドリアン・ピーターソンが2015年シーズン第12週に成し遂げて以来、1試合で150ランヤードと2回のタッチダウンを記録した初の30歳以上の選手となっている。また、スーパーボウル時代において30歳以上でそれを達成した14人目の選手でもある。

今オフシーズンは、どうすればカウボーイズがヘンリーのような選手を起用できるかについて、さまざまな憶測が飛び交っていた。ヘンリー自身もカウボーイズでプレーしたいという思いを語っていたが、4月にはカウボーイズから一度も連絡を受けなかったと明かしている。

試合でヘンリーに圧倒された後、カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズはオフシーズンの展開に後悔はないと述べた。

『ESPN』によると、ジョーンズは「彼には脱帽だ。今日は素晴らしい1日だった。彼には最大限の敬意を表する。良い選手と契約しないと、こういうことになる。つまり、戻ってきて自分たちに対して素晴らしい試合をする可能性があるということ。しかし結局のところ、私たちにはデリック・ヘンリーを獲得する余裕がなかった」と語ったという。

ヘンリーはレイブンズと900万ドル(約12億9,378万円)の保証を含む2年1,600万ドル(約23億0,006万円)の契約を結んだ。

ジョーンズは「なぜ別の種類の家に住んでいるときに豪邸を買うことができないのか? 私たちには彼を獲得する余裕がなかった。すべてをうまく合わせることはできない。それだけのことだ」とつけ加えている。

ヘンリーは3週間を通して281ランヤード(キャリー平均5.0ヤード)、タッチダウン4回を記録。ランヤードはシーズン第3週を終えた時点の記録として過去3番目に多く、タッチダウンは最も多い。プロボウルに4回選出された経歴を持つヘンリーがシーズンを通してのキャリー平均ヤードで4.4ヤードを上回ったのは、2020年シーズンが最後だ。

2週間にわたって苦戦していたレイブンズは、ブロッキングの改善と、リードプレーにおけるクオーターバック(QB)ラマー・ジャクソンとヘンリーの連携が向上したことにより、ようやくランプレーでの勢いを取り戻している。レイブンズはカウボーイズ戦において45回のランプレーで274ヤードを獲得し、タッチダウンラン3回を記録した。

ボルティモアでは、レイブンズが単に脆弱なカウボーイズのランディフェンスとポジティブな試合展開をうまく利用しただけなのか、それとも今回のような攻撃が、2024年シーズンが進むにつれて見られるようになる攻撃スタイルなのか、という疑問が浮かんでいる。

【RA】