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NFLとFEMAが地域社会の回復力を高めるための国家戦略を発表、災害時のミッション対応拠点を指定

2024年09月26日(木) 15:40


NFLロゴ【NFL】

スタジアムや会場は、地域社会が異常気象による危機に対応する上で、中心的でアクセスしやすい場所となり、必要な時に安全な保管場所や避難場所を提供する。そうした災害が頻発および深刻化し、被害額も増大する中、米国連邦緊急事態管理庁(FEMA)のディアン・クリスウェル長官とNFL最高セキュリティ責任者のキャシー・ラニエが、FEMAとNFLが地域社会の回復力を高めるための新たな戦略を打ち出すことを現地25日(水)に発表。この戦略は、NFLのスタジアムやフィールドを災害対応や復旧活動中に使用できる施設として指定するプログラムを通じて実行される。官民パートナーシップである“ミッション・レディ・ベニュー”を通じて、NFLのスタジアムは公共の安全をより確実に維持し、その地域社会を支援する拠点としての能力が認められている。この指定は、緊急事態や災害時に、スタジアムや会場が対応および復旧活動にどのような形で利用できるかを特定するものだ。

FEMAのディアン・クリスウェル長官は「COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックやハリケーン、竜巻のような大規模な緊急事態においては、音楽、スポーツ、エンターテインメントの大型会場が地域社会にとって安全な空間となり得ることを私たちは目の当たりにしてきました」と述べている。

「NFLとともに打ち出すこの新たな戦略は、地域社会の安全を確保し、その回復力を高めながら、提携組織が緊急対応や復旧のニーズに応じてこれらの施設を活用できる画期的な機会となります。まずはNFLとともに始動しますが、すべてのスポーツ団体やリーグの会場は地域社会の資産となり得ます。気候危機の影響に立ち向かう中で、この共同の取り組みにぜひ参加していただきたいと思います」

また、NFL最高セキュリティ責任者のキャシー・ラニエは「スタジアムは災害時にしばしば利用される貴重な地域社会の資産です」とコメント。

「この指定は、多くのスタジアムが日曜日だけではなく、特に緊急時に担う役割を反映したものです。私たちはFEMAや地域および州レベルのファーストレスポンダーと協力し、災害発生時に災害対応機関が地域社会の復興に必要な情報とツールを確実に得られるようにすることを誇りに思っています」

ニューヨーク大学(NYU)プロフェッショナル・スタディーズと米国市長会議によれば、スタジアムやアリーナは新型コロナウイルス感染症のパンデミックへの対応を含め、その地域の公衆衛生と福祉の向上に寄与する可能性があるとのこと。最初の指定を受けたスタジアムには、ニュージャージー州イーストラザフォードに位置するニューヨーク・ジェッツおよびニューヨーク・ジャイアンツのメットライフ・スタジアムや、ワシントン州シアトルに位置するシアトル・シーホークスのルーメン・フィールド、ペンシルベニア州ピッツバーグに位置するピッツバーグ・スティーラーズのアクリシュア・スタジアム、フロリダ州タンパに位置するタンパベイ・バッカニアーズのレイモンド・ジェームス・スタジアムが含まれる。ロサンゼルス・チャージャーズとロサンゼルス・ラムズの本拠地であるSoFiスタジアムは現在審査中だ。

大規模なスポーツ施設の規模、機能、立地を考慮すると、これらの既存の地域資産は、緊急避難所、集合場所、物資の配給場所、避難時のピックアップポイント、災害復旧センター、集団ワクチン接種および検査、臨時病院など、さまざまな形で一般市民に貢献できる。FEMAとNFLはこの特別な協力の機会を認識し、政府関係者と協力して緊急時や災害時の対応および復旧の計画と準備に取り組むべく、これらの施設の所有者、運営者、テナントの支援を募っている。会場が公式のミッション・レディ・ベニュー指定を受けるには、緊急時および災害時の対応と復旧活動において、どのような対応が可能かを判断するための包括的な評価を受ける必要がある。この指定は、選定された会場の以下の特性を強調している。

◆安全と安心の提供:スタジアムは通常、主要道路や交通の要所、病院などの重要なサービス施設に近い、中心部に位置している。災害対応に利用される場合、その指定によって貴重な時間と資源が節約され、災害対応と復旧における官民間の連携がさらに強化される。

◆アクセシビリティの提供:スタジアムは障害を持つアメリカ人法(ADA)に準拠しており、障害者および何らかの形でアクセスや機能的な支援が必要な人々をサポートできるようになっている。さらに、NFLの会場の73%は公共交通機関でアクセス可能だ。これにより、災害発生後に救命・生命維持に不可欠なサービスへのアクセスが不十分な人々に対して、公平なサービスを促進する手段が提供される。

◆コミュニティの回復力強化:スタジアムやアリーナは地域社会の中心的な存在であり、地元チームへの誇りを通じて住民間のつながりを強化することで、社会的なネットワークを強化する役割を果たしている。ミッション・レディ・ベニューは災害時に士気を高める効果を持つ。より強固で回復力のある環境を提供することで、被災者間の社会的ネットワークを強化するとともに、施設の主要なテナントとのつながりを築く機会を十分に提供することができる。

◆努力の結束を確保:スタジアムのリソースとサービスを調整することで、被災者と対応者を支援し、事態の早期安定化を図ることが可能。スタジアムは常に同じ場所に存在するため、リソースとサービスを迅速に配備できる。これにより、地域社会の物理的および経済的な回復が促進される。

ミッション・レディ・ベニュー指定は5年単位で付与され、会場の継続的な対応能力を確保するために毎年確認が行われる。再指定は5年ごとに必要であり、この指定は州、地方、または民間部門のいかなる団体との契約に優先されるものではない。

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