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自ら走ることに消極的なブラウンズQBワトソン、「俺はランニングバックじゃない」

2024年09月27日(金) 14:17


クリーブランド・ブラウンズのデショーン・ワトソン【AP Photo/Michael Conroy】

クリーブランド・ブラウンズは厳しい状況でシーズン第4週を迎える。

オフェンス面で大いに苦戦しているブラウンズは、総獲得ヤード数、ランヤード、パスヤード、1試合あたりの得点で、NFLの下位3分の1に低迷している。クオーターバック(QB)デショーン・ワトソンは3試合を通じて苦しい状況に置かれてきた。これから西へ遠征し、ラスベガス・レイダースと対戦する準備を進めるブラウンズは、解決策を見いだそうと模索している。

ブラウンズに提示された1つの選択肢は、ワトソンをもっと頻繁に走らせることだ。しかし、本人はこの案に乗り気ではない。

『ESPN』によると、ワトソンは現地25日(水)に「デザインされたランプレーをもっと求めるつもりはない。走る必要がなければ、俺は走らない。ヒットをもっと受けるつもりはないね。俺はいわゆる走るクオーターバックじゃない。何かを起こすことはできるけど、走ろうとは思っていないんだ」と語り、次のように続けたという。

「俺はランニングバック(RB)じゃない。それは専門じゃないよ。彼らが俺と契約を結んだのは、俺がパスを投げて、決断して、クオーターバックとしてプレーするためであって、ランナーとしてじゃない」

ブラウンズの攻撃陣は低迷し、総獲得ヤード数はリーグ31位となっており、ワトソンのパフォーマンスはさらに悪い。今シーズンここまでの3試合すべてに先発しているクオーターバックの中で、ワトソンはパスアテンプトあたりの平均獲得ヤード数(4.8ヤード)、ドロップバックごとのヤード数(3.8ヤード)、成功率(31.9%)、被サック数(16回)で最下位に沈んでいる。

ブラウンズはワトソンへの負担を軽減する代わりに、むしろワトソンに過度に依存している。ワトソンは2022年以降に450回以上のパスアテンプトを記録したクオーターバックの中で、パス成功率(59.3%)というワースト2位の成績を残している。RBニック・チャッブが欠場していることも大きな痛手だが、ブラウンズもあまり意図的にラン攻撃を仕掛けているわけではない。実際、ブラウンズがこれまでの3試合で66回のランプレーを展開したのに対して、相手チームはキャリー78回を記録している。

本人が水曜日に語ったように、ワトソンはオフェンスのラン攻撃をも担うつもりはない。ワトソンが走らざるを得ない状況になるのは、通常、急ごしらえのオフェンシブライン(OL)がワトソンを一貫して守ることができておらず、激しいプレッシャーにさらされている時だ。ブラウンズはQBハリー率でリーグ29位に沈んでおり、3秒以上ブロックを持ちこたえることができていないことを示している。また、ランプレーの成功率も43%を下回っている状況だ。

端的に言って、ワトソンはランナーとしてはあまり効果的な武器ではなく、これまでの負傷歴を考慮に入れると、ワトソンをランゲームに組み込むのは賢明ではないだろう。実際、ショートヤードの場面では、ヘッドコーチ(HC)ケビン・ステファンスキーはQBスニークを試みる際に、より安全な選択肢として、QBジェイミス・ウィンストンを起用することを習慣にしている。

ワトソンは「1つのランゲームだけを上げれば、それがオフェンスの助けにならないとは言わない。でも、俺は(肩の手術から)復帰したばかりだし、(ステファンスキーHCにとって)俺をそういった状況に置くことは優先事項じゃないと思う」とコメント。

ワトソンは正しい。しかし、ワトソンがパサーとして苦戦しているのは明らかで、ほんの少しの明るい兆しはあるものの、ブラウンズには残された選択肢が少なくなっている。ステファンスキーHCがシーズン第4週からアプローチを変えるのか、それともワトソンが2020年にパスヤード数でNFL首位に立っていた頃の調子を突如として取り戻すことを期待し続けるのか、見守ることになるだろう。

【KO】