アリゾナ州立大学在任中の違反によりレイダースHCピアースに8年間の理由開示命令
2024年10月04日(金) 12:06ラスベガス・レイダースのヘッドコーチ(HC)アントニオ・ピアースが、アリゾナ州立大学でアシスタントコーチを務めていた際の違反行為により、NCAAから8年間の理由開示命令(加盟校で雇われる際に厳しい制限や条件が課される)を下された。
NCAAが現地3日(木)に発表した声明によると、アリゾナ州立大学の元コーチングスタッフであるアンソニー・ガーネットも、5年間の理由開示命令を受けたという。
この処分は主に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによって活動が制限されていた約1年の間に、15週末にわたって35人の入学候補者と許可なく接触したことに起因している。これにはトライアウト、フットボール施設の見学、娯楽イベントなどが含まれていた。NCAAによると、ピアースと複数のフットボールスタッフ、さらに当時の選手の親である斡旋役がこれらの訪問を手配していたという。
さらに、ピアースは27人の入学候補者に対して、無料の食事、アパレル、航空券、宿泊施設などを手配したか、あるいは自ら提供していた。これらの非公式訪問に関連する利益提供には、入学候補者の親を紳士クラブに連れて行ったことも含まれており、NCAAはこれらを不適切なリクルート活動に該当するとしている。
最終的に8名の候補者がアリゾナ州立大学に入学し、無資格の状態で19試合に出場したとNCAAは述べている。NCAAの報告書には、「ピアースに対する8年間の理由開示命令を決定するにあたり、委員会はリクルート違反を指揮した首謀者としての彼の役割に重きを置いた」と記されている。
ディビジョンIの違反委員会は4月に、アリゾナ州立大学とこの件における違反および処分に同意した4名の個人に対して、交渉による解決を承認した。その他の3名はこのプロセスに参加せず、彼らの違反と処分は合意内容に含まれている。学校側は、違反に対して異議を唱えているピアースとガーネットに対する委員会の最終決定を待ちながら、すでに処分の履行を開始している。
NCAAの調査によって、ピアースが虚偽または誤解を招く情報を提供し、財務記録の提出を拒んだことが明らかになった。アリゾナ州立大学のスタッフの1人はNCAAに対し、ピアースが「自身の資産による経済的な安定から、NCAA規則に違反するリスクを恐れていなかった」と証言している。
報告書には「ピアースは自分の地位を利用し、スタッフに違反行為に加担するよう圧力をかけ、命令に従わなければ解雇されるという恐怖を植え付けた」と記載されている。
ピアースは2022年にアリゾナ州立大学を離れ、レイダースのラインバッカー(LB)コーチとして雇われた。その後、2023年10月から暫定ヘッドコーチを務め、2024年1月には正式にヘッドコーチに任命された。
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