ペイトリオッツはテキサンズ戦でQBメイを先発起用へ
2024年10月09日(水) 12:33ニューイングランド・ペイトリオッツにドレイク・メイの時代がやってくる。
現地8日(火)、2024年NFLドラフト全体3位で指名を受けたメイがジャコビー・ブリセットに代わってペイトリオッツの先発クオーターバック(QB)になると『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが報じた。
22歳のメイは日曜日にヒューストン・テキサンズとの一戦で、ジレット・スタジアムにいるファンの前で先発デビューを果たす。
この夏にブリセットが先発の座を勝ち取って以来、ヘッドコーチ(HC)ジェロッド・メイヨはブリセットにこだわり続けてきた。しかし、1年目のヘッドコーチは月曜日の時点で変更の兆しを示していたようだ。
チーム公式記録によると、QBの交代について話し合うことになると予想しているかと尋ねられた際に、メイヨHCは「私たちはすべてのユニットとすべての選手を見て、このロースターをどう活用して試合に勝つかを考えなければならない」述べたという。
メイへの交代は、キャリア9年目のベテランであるブリセットがシーズン第5週に臨んだ試合でパス成功率52.9%、160ヤードという成績にとどまり、負傷者が相次ぐマイアミ・ドルフィンズに15対10で敗れたことを受けて決まった。ブリセットのパスヤードがいずれの試合も200ヤードを下回っている上に、タッチダウンパス数もわずか2回にとどまっている中で、ペイトリオッツはパスオフェンスでリーグ最下位に沈んでいる。
シーズン初戦でシンシナティ・ベンガルズを破るという衝撃的なスタートを切ったペイトリオッツだが、その後は4連敗を喫し、得点ランキングでは31位に沈んでいる。また、いまだに20点以上を獲得した試合はない状態だ。
メイにはまず、オフェンスとファンに活気を与えることが期待されるだろう。
ブリセットよりも機動力があり、ボールを素早く投げられる可能性があるメイは、生産性の向上をもたらしうる存在だ。プレシーズンの終盤ではブリセットを上回るパフォーマンスを見せていたが、メイヨHCたちは当初からの予定だったのか、ベテランを起用する道を選んだ。
オフェンスの苦戦はブリセットだけの責任ではない。ブリセットは主に脆弱なオフェンシブラインのせいで、毎週のように厳しい状況にさらされてきた。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、ブリセットはドロップバックの50%でプレッシャーを受けており(リーグ最多)、2位のウィル・レビス(45.9%)を4ポイント以上上回っているとのこと。
もちろん、メイをテキサンズのディフェンシブエンド(DE)であるダニエル・ハンターやウィリアム・アンダーソンJr.といった危険な相手に直面させることにはリスクが伴う。その一方で、メイをペイトリオッツのフランチャイズQBとして育てる最良の方法は、実際のプレーを通じて経験を積ませることだという考え方もある。
したがって、ペイトリオッツの現在の苦境が変更のタイミングを早めた可能性は高いものの、これは長期的な視点に立った決断でもあるのだ。
今こそメイが大きなポテンシャルを武器にNFLのクオーターバックとして成熟する時だ。そのメイには、トム・ブレイディの退団後に急速に失われてしまった栄光の日々を取り戻すというプレッシャーものしかかってくるだろう。
メイは次の試合でNFLデビューを果たすわけではなく、すでにシーズン第3週に24対3で敗れたニューヨーク・ジェッツ戦のガベージタイムで初出場を果たしている。メイはそこでパス8回中4回成功、22ヤード、キャリー2回で12ヤードを記録したが、その短い出場時間で得られるものはほとんどなかった。
メイが初めて本当の意味で印象を残すのはシーズン第6週になるだろう。
メイはシカゴ・ベアーズのケイレブ・ウィリアムズ(全体1位)、ワシントン・コマンダースのジェイデン・ダニエルズ(2位)、デンバー・ブロンコスのボー・ニックス(12位)に続き、大きな注目を集めた2024年ドラフト1巡目指名QBの中で今季初先発を果たす4人目の選手となる。アトランタ・ファルコンズのマイケル・ペニックスJr.(8位)は依然としてバックアップを務めており、ミネソタ・バイキングスのJ.J.マッカーシー(10位)は膝のケガでシーズン終了となっている。
ウィリアムズ、ダニエルズ、ニックスの3人はシーズン初戦から先発として活躍し、期待以上の結果を残し始めている。一方、周囲の選手たちの才能が比較的乏しいのは明らかであるため、メイは才能と同様に、精神力やタフさも試されることになるだろう。準備が整っていようといまいと、メイの時代はやってきている。
ペイトリオッツとテキサンズの対戦は13日(日)アメリカ東部時間13時【日本時間14日(月)2時】から始まり、それと同時にメイの時代も幕を開ける。
【RA】