コルツがバイキングス戦でQBリチャードソンを下げてQBフラッコを先発起用へ
2024年10月30日(水) 10:39インディアナポリス・コルツが過去にドラフト1巡目で指名したクオーターバック(QB)アンソニー・リチャードソンをベンチに下げようとしている。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートとトム・ペリセロが状況を知る人物の話をもとに報じたところによると、現地11月3日(日)に行われるミネソタ・バイキングス戦ではジョー・フラッコが先発を務めるという。
今回のニュースは、ヘッドコーチ(HC)シェーン・スタイケンがリチャードソンの起用を約束せず、先発QBの変更を示唆した翌日に伝えられた。
2023年ドラフト全体4位指名を受けたキャリア2年目のリチャードソンは、今季を通して不安定なプレーを続けており、そのパス成功率はNFLで最低の44.4%となっている。
リチャードソンは前回の試合でパス32回中10回成功、175ヤード、タッチダウン1回を記録。ワイドレシーバー(WR)が何度かボールを落とす場面があったが、これまで先発を務めた数試合と比べると良い内容だった。とはいえ、パス精度の問題がドライブを停滞させ続けている。
今シーズン、5回以上のパスを投げた試合でいずれも50%を上回るパス成功率を記録できていないリチャードソンは、220パスヤード以上を獲得した試合もない状態だ。深い位置へのロングパスや脚力を生かしたプレーなどで輝きを放つ瞬間もあったが、そこには一貫性が欠けている。
また、リチャードソンが日曜日に“疲れていた”ため、試合の途中にフィールドを離れたことを認めた後に今回の決定は下された。その正直な答えによって、クオーターバックの献身性に疑問が投げかけられている。また、チームメイトのセンター(C)ライアン・ケリーもリチャードソンが求められている“基準”に達していないと指摘。オフェンスの生産性の問題がより大きな懸念事項である一方で、試合の途中でフィールドを離れたことが今回の判断に影響を与えたのかもしれない。
今シーズン、先発として1勝1敗を記録し、リリーフとして出場したピッツバーグ・スティーラーズ戦でもリードを維持して勝利に貢献したフラッコに目を向けることは驚きではない。ベテランのフラッコが司令塔を務めた際に、オフェンスはよりスムーズな動きを見せている。シーズン第5週に行われたジャクソンビル・ジャガーズ戦でフラッコは359ヤードと3タッチダウンをマークし、結果としては敗れたものの、オフェンスにとっては今季の中で最も生産性の高い試合となった。スタイケンHC率いるオフェンスは昨年、クオーターバックが予定通りにプレーし、正しい判断を下せば、よりよくボールを動かせることを証明している。
2023年シーズンに示したように、現在39歳のフラッコはオフェンスを操ることができ、フィールドを広げることを恐れることなく、落ち着いた存在感を提供できる選手だ。
1年前、フラッコはシーズン途中にクリーブランド・ブラウンズの先発を任され、先発として4勝1敗の成績を収めてチームをプレーオフ進出に導いた。現在4勝4敗のコルツはワイルドカードの座までハーフゲーム差に迫っており、フラッコに切り替えることで昨季のブラウンズと同様にプレーオフに進出できるようになることを期待している。
コルツはリチャードソンをドラフト指名したときに、大学での先発経験の少なさから成長痛が伴う可能性があることを理解していた。しかし、プレーオフ進出の可能性が残されている中で、コルツはその苦労を耐え抜くのではなく、フラッコに切り替えることを選んでいる。
昨年のドラフトでトップ5指名して以来、リチャードソンを熱心に支持してきた組織が急な方針転換を図った。問題は、リチャードソンがどれくらいの期間、ベンチに下げられるのか、そして、先発に復帰する場合にリチャードソンにはインディアナポリスでどのような未来が待ち受けているのかということだ。
【RA】