セインツ戦でパンサーズを勝利に導き、「素晴らしい一歩」を踏み出したQBヤング
2024年11月05日(火) 15:33現地3日(日)、カロライナ・パンサーズのクオーターバック(QB)ブライス・ヤングは昨年のクリスマス前に臨んだ試合以来の経験――勝利を確定させるためにひざをつくこと――をした。
パンサーズはシーズン第9週にニューオーリンズ・セインツを23対22で下している。それは2023年シーズン第15週(12月17日)以来、ヤングを司令塔に据えてつかんだ最初の勝利となった。どちらのチームも一貫性を欠いていた試合において、ヤングは第4クオーターに勝利を決定づけるドライブを演出している。
一進一退の攻防が続く中、パンサーズは第4クオーターにリードを奪うチャンスを何度か得た。しかし、インターセプトやショートパスの失敗によってオフェンスは停滞。それでも、ディフェンスが相手の攻撃を何度も止めたおかげで、ヤングは再びチャンスを得ることができた。今度こそチャンスをものにしたヤングは、新人ワイドレシーバー(WR)ゼイビア・レゲットにロングパスを通し、ランニングバック(RB)チュバ・フバードが決勝タッチダウンを決めるのをお膳立てしている。
チーム公式サイトによると、決勝ドライブを迎えるにあたって何を考えていたのかと質問されたヤングは「他にどんな状況にいたいと思う?」と答えたという。
「それこそが望みだ。ドライブでリードを奪うチャンスを得る。俺たちはそのためにプレーしているし、そのために努力している。特にオフェンスとしては、それこそが望みだし、誰もがそう考えていた」
「俺たちはみんな、お互いに頼り合い、お互いのためにプレーしてやり遂げることができた。でも、それはとにかく素晴らしいチームワークの賜物だった」
シーズン序盤に低調なスタートを切ったことでベンチに下げられたヤングは、アンディー・ダルトンが交通事故で親指を捻挫したことで、シーズン第8週に再び先発を務めるチャンスを得た。かつてドラフト全体1位指名を受けた選手にとっては素晴らしい復帰とは言えないものの、ヤングのオフェンスを指揮する能力は大幅に改善している。
ガード(G)ロバート・ハントは「ブライスのことを本当にうれしく思っている。決勝ドライブに臨む前に“なあ、お前はずっと勝者だったじゃないか。だから、勝とうぜ、やろうぜ”って言ったんだ。そしたら彼は“ああ、君の支えがあるしね”と言った。俺たちは彼を支えて、彼はやってのけた。あの子のことを思うと本当にうれしい」と話している。
「このリーグで勝つのは難しいんだ。分かるだろ? ああいう試合だと、セイントよりもパンサーでいる方がいい。接戦になると、うまくいかないときの感じが分かる。それがこのリーグなんだけどな。つまり、決めるべきプレーをしっかり決めなきゃいけない。でも、俺は本当にみんなのことを誇りに思っている。ブライスは戦い続けて、フィールドのあちこちに素晴らしいパスを通していた。今日はこのチームを誇りに思っている」
ヤングとワイドレシーバーたちの連携は、ヤングが新人だったときよりも良くなっている。ヤングはほとんどの場面で致命的なミスを避けており、日曜日のオフェンスは一定のレベルで機能していた。ヤングはパス26回中16回を成功させて171ヤード、タッチダウン1回、インターセプト1回を記録。確かにそれはシーズン序盤の不調をすべて帳消しにするようなパフォーマンスではない。しかし、すでに厳しい状況にあるシーズンの中で、何らかのポジティブな要素を見つける必要がある2勝7敗のチームにとっては、小さな一歩だと言えよう。
ヘッドコーチ(HC)デイブ・カナルスはヤングを今後の先発に指名することを避けており、そのパフォーマンスを“堅実”と表現した。
「しかし、彼は何度か重要な場面で大きな活躍をしてくれた」と述べたカナルスHCはこう続けている。
「そして、私たちに何度か機会をもたらしてくれた。だから、繰り返しになるが、私たちが求めていることをすべて受け入れ、私たちを適切なタイミングで適切な場所に導きながら彼が踏み出した一歩を誇りに思っている」
「つまり、素晴らしい一歩だ」
ヤングのパフォーマンスは賞を獲得するようなものではなく、パンサーズが2023年ドラフトの全体1位で指名した際に期待していた水準に達しているわけでもない。しかし、カナルスHCが地区ライバルとの試合で逆転勝利に導いたヤングを再びベンチに下げれば、ヤングがカロライナで巻き返しを図る可能性は完全に閉ざされるだろう――そのような希望がまだ残っていればの話だが。
【RA】