ブラウンズがDEスミスをライオンズにトレード
2024年11月06日(水) 09:07デトロイト・ライオンズがアメリカ東部時間5日(火)16時【日本時間6日(水)6時】のトレード期限に先立ち、パスラッシュを強化する策を講じた。
『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが火曜日に状況を知る人物の話をもとに、ライオンズがクリーブランド・ブラウンズとのトレードでベテランディフェンシブエンド(DE)ザダリアス・スミスを獲得したと報じている。
ライオンズは2025年ドラフト5巡目指名権および2026年ドラフト6巡目指名権と引き換えに、スミスおよび2026年ドラフト7巡目指名権を獲得したとラポポートはつけ加えた。その後、両チームが今回のトレードを正式に発表している。
7勝1敗のライオンズはスターDEエイダン・ハッチンソンが10月に脚を骨折してからパスラッシュの補強を切望していた。ハッチンソンが負傷してから、ライオンズではディフェンシブタックル(DT)エイム・マクニール以外の選手が安定したプレッシャーをかけるのに苦労している。『Next Gen Stats(ネクスト・ジェン・スタッツ)』によると、マクニールは去る日曜日に圧勝したグリーンベイ・パッカーズ戦でクオーターバック(QB)プレッシャー5回を記録したとのこと。それ以外のディフェンシブラインマンの記録は合わせて5回だった。
パスラッシュが不十分であることから、守備コーディネーター(DC)アーロン・グレンが指揮するセカンダリーは苦境に立たされている。とはいえ、ハッチンソンを失ってからも相手チームをエンドゾーンに入れないようにしてきたことは、守備コーディネーターと再編されたセカンダリーの実力を示していると言えよう。
ライオンズはスミスという実績あるパスラッシャーを獲得している。スミスはランプレーにも強く、それはライオンズがその守備システムにおいて重視している要素だ。パッカーズとミネソタ・バイキングスに所属してきたスミスはNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区を熟知しており、即戦力としてチームに貢献するだろう。2024年に記録しているQBプレッシャーは26回で、ライオンズではハッチンソン(30回)に次ぐ2位となる。
32歳のスミスは2023年シーズンに成績が振るわず、サック数は5.5回だったが、今季は本来の姿を取り戻し、ブラウンズでの9試合で5回のサックを記録している。ベテランのスミスは3-4のスキームからブラウンズの4-3ディフェンスに移行する際に慣れるのに時間がかかったと認めたが、今季は4-3ディフェンスで調子を取り戻せることを証明しており、それはライオンズにとって朗報と言えるだろう。
NFC北地区首位のチームがとった動きとしてはそれほど衝撃的なものではないが、ライオンズは切望していた、1対1で勝つことができる選手を獲得した。スミスの契約期間はあと1年残っており、保証されていない金額が1,100万ドル(約16億6,769万円)あるため、この点が取引の算定に影響を与えた可能性が高い。スミスは来季にハッチンソンと良いコンビになる可能性があるが、ライオンズがシーズン終了後に別れを選ぶ可能性もある。
今季を2勝7敗でスタートさせたブラウンズは明らかに売却モードに入った。まず、ワイドレシーバー(WR)アマリ・クーパーを手放し、今度はスミスをトレードしている。ドラフト5巡目指名権を獲得したことで、ブラウンズの指名権は2025年ドラフトに向けてさらに増加(補償指名権を除いて9つ保持)。32歳のスミスは若手の補強が急務である地区内最下位のチームにとって余剰戦力となっていた。
ロンバルディトロフィー獲得の期待が高まる中、ライオンズは最前線での戦力補強を期日までに完了させる必要があった。ジェネラルマネジャー(GM)ブラッド・ホームズは期待を裏切ることなくそれを実行している。
【RA】