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ベアーズがウォルドロンOCを解雇、トーマス・ブラウンが暫定OCに

2024年11月13日(水) 12:39


シカゴ・ベアーズの攻撃コーディネーター(OC)シェーン・ウォルドロン【Greg Trott via AP】

攻撃面の問題が山積する中で3連敗を喫したシカゴ・ベアーズがコーチの変更に踏み切っている。

現地12日(火)、ベアーズが就任から9試合を終えた時点で攻撃コーディネーター(OC)シェーン・ウォルドロンを解雇したと『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロが報じた。ペリセロによると、ベアーズのパスゲームコーディネーターであるトーマス・ブラウンが暫定OCを務めるという。

その後、ベアーズが今回の変更を正式に発表した。

ヘッドコーチ(HC)マット・エバーフラスは声明で次のように述べている。

「全体的な運営を評価した結果、攻撃陣の指導者に関して異なる方向に進むことがチームにとって最善だと判断した。この決断は熟考を重ねた末のものであり、慎重かつ敬意を持って下されたものだ。シェーンの努力に感謝するとともに、今後の成功を祈っている」

ウォルドロンと同様にベアーズでの初年度を過ごしているにもかかわらず、ブラウンはなじみのあるポジションに就くことになった。2023年にパンサーズの攻撃コーディネーターとして採用されたブラウンは、ヘッドコーチを務めていたフランク・ライクがシーズン途中に解雇された後、プレーコールの役割を引き継いでいる。それ以前は、スーパーボウル制覇を成し遂げた2021年シーズンを含め、ロサンゼルス・ラムズのショーン・マクベイHCの下でアシスタントヘッドコーチを務めていた。

4勝5敗の成績でNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)北地区最下位に転落したベアーズが、3連敗を喫する中で獲得した合計点は27ポイントだ。その得点は試合を重ねるごとに減少しており、さらには23ポゼッション連続でタッチダウンを挙げられていない。

地区ライバルのグリーンベイ・パッカーズとのホームゲームに臨むにあたり、エバーフラスHCは今回の大きな変更が攻撃陣の立て直しにつながることを期待している。

ドラフト全体1位指名を受けたクオーターバック(QB)ケイレブ・ウィリアムズのルーキーシーズンを導く役割を担っていたウォルドロンだが、その結果は惨憺(さんたん)たるもので、得点をほとんど挙げられず、ウィリアムズに対するプレッシャーは非常に大きくなっていた。

ウォルドロンの解雇は、日曜日にホームで行われた試合でニューイングランド・ペイトリオッツに19対3で敗れたことを受けて決定されている。この試合で、ウィリアムズは120パスヤードしか獲得できず、オフェンス全体の獲得ヤードも142ヤードにとどまった。また、ウィリアムズは今シーズンのNFLで最も多い9回ものサックを喫している。

『NFL Research(NFLリサーチ)』によると、ベアーズは2試合連続でタッチダウンを挙げておらず、1993年シーズン第8週と第9週以降で初めて、2週連続で6回以上のサックを許しているとのこと。

その成績はひどいものであり、シーズン通算で38回ものサックを喫しているウィリアムズの成長にとっても良くない兆しとなっている。NFLリサーチによれば、そのサック数は2002年にヒューストン・テキサンズのデビッド・カーが最初の10週間で49回サックされて以来、ルーキーとして最も多い回数だという。

この数週間、ウォルドロンは批判の的となっており、今回の敗北を受けてエバーフラスHCは月曜日に「あらゆる選択肢を検討している」と述べていた。

フランチャイズの将来に期待が寄せられるシーズンにおいて、ベアーズはシーズン第8週にQBジェイデン・ダニエルズ率いるワシントン・コマンダースにヘイルメアリータッチダウンを許して敗れてから苦境に立たされている。3連勝を収めていたところから3連敗を喫したベアーズは、その過程でオフェンスが機能しなくなってしまった。

ベアーズが状況を打開するために“ヘイルメアリー”を投げるような大きな賭けに出たことで、オフェンスの問題を解決するのはもはやウォルドロンの役目ではなくなっている。

【RA】