シーホークス時代以来最高のプレーでベンガルズを圧倒したスティーラーズQBウィルソン
2024年12月03日(火) 09:57現地1日(日)、クオーターバック(QB)ラッセル・ウィルソンはピッツバーグ・スティーラーズが44対38で地区ライバルのシンシナティ・ベンガルズを下した試合でかつての輝きを取り戻した。
ウィルソンは試合を通して落ち着いており、精彩を欠いていたベンガルズ守備陣を相手に、パス38回中29回を成功させて414ヤード、タッチダウン3回に対してインターセプト1回、パサーレーティング126.4をマークした。
『Associated Press(AP通信)』によると、ウィルソンは「楽しかった。とにかく素晴らしい時間を過ごした。重要な対戦だってことは分かっていたし、激闘になることも分かっていた」と語ったという。
今回の試合はウィルソンにとって少なくともここ数年で最高の試合となった。間違いなく、シアトル・シーホークスを離れてから最も優れたパフォーマンスだったと言え、36歳のウィルソンは依然として強力なオフェンスを指揮できることを示している。414パスヤードは、2017年シーズン第8週に行われたシーホークス対ヒューストン・テキサンズ戦で記録した452ヤードに次いで、キャリアで2番目に多い数字だ。
ベンガルズ戦はウィルソンにとって400パスヤードを突破したキャリアで3回目の試合となったが、アウェーでそれを成し遂げたのは今回が初めてだった。試合序盤にワイドレシーバー(WR)ジョージ・ピケンズが滑ったと判定されたプレーでピックシックスを喫したにもかかわらず、ウィルソンは前半だけで257パスヤードを記録。これは試合の前半に獲得したヤード数としてキャリア最高の数字だ。
スティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンは「うちのグループはその状況に笑顔で立ち向かっていたと思う。特にウィルソンはね」と振り返っている。
「彼がAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区のフットボールを経験するのは初めてだが、今日はうまく適応していたと思う。彼は今日のパフォーマンスで、このシリーズの歴史に名を刻んだ」
ディフェンスが珍しく苦戦する場面があった上に、ピケンズが何度かパーソナルファウルを犯し、トムリンHCが若手レシーバーには“成長”が必要だと語る結果にもなったが、ウィルソンは輝きを放っていた。
スティーラーズにとって、今回の得点(44点)は2018年シーズン第10週に52点を獲得したカロライナ・パンサーズ戦以来、最も多い得点であり、アウェーゲームとしては2000年シーズン第13週に48点を獲得したベンガルズ戦以来の数字となった。また、トータルヤード(520ヤード)は2018年シーズン第12週に527ヤードを稼いだデンバー・ブロンコス戦以降で最も多かった。
雪が降る中で敗れた前回のクリーブランド・ブラウンズ戦から立ち直ったウィルソンは、持ち前の武器をすべて見せつけている。ロングパスを投げ、WRカルビン・オースティン三世に23ヤードの完璧なタッチダウンパスを通し、スクランブルでターゲットを見つけ、ベンガルズがドロップバックした場面ではランニングバックにボールを託し、大きなゲインを獲得した。
ウィルソンは10エアヤード以上のパスを9回中8回成功させ、205ヤードを獲得し、2回のタッチダウンをマーク。CPOE(期待値に対する実際のパス成功率との差)は+34.8%で、過去7シーズンで3番目に高い記録だった。
トムリンHCは「相手がどんな手を打ってくるか分かっていたから、攻めに出たかった。これこそ、ディビジョンの関係の奥深さについて私が言っていることだ。それはチェッカーではなく、チェスなんだ」と話している。
ベンガルズは今回の敗北で4勝8敗となり、打つ手がない状況に追い込まれた格好だ。一方、成績を9勝3敗に伸ばしたスティーラーズはAFC北地区で1.5ゲーム差のリードを築いている。ウィルソンが現在の調子を維持し続ければ、スティーラーズはこれからの数週間で第3シードから順位を上げるチャンスを得るだろう。
【RA】