正式な予測がない中、各チームは来季のサラリーキャップを約397億円から412億円の範囲で予算化
2024年12月09日(月) 12:33リーグオフィスからの正式な予測が発表されていない中、NFL各チームは2025年のサラリーキャップを2億6,500万ドル(約397億2,615万円)から2億7,500万ドル(約412億3,900万円)の範囲で見積もり、予算編成を進めていると情報筋は伝えている。
この金額は、今季のチームごとのキャップ額である2億5,540万ドル(約382億9,978万円)から、1,000万ドル(約14億9,960万円)から2,000万ドル(約29億9,920万円)程度の増加を示しており、比較的控えめな予測といえる。2023年から2024年にかけては、テレビ放映権契約の更新や2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による無観客試合の影響が薄れたことで、3,060万ドル(約45億8,877万円)という記録的な増加が見られた。
以前、NFLは12月に開催される会議と労使セミナーの場でリーグ予測を発表していたが、近年は行われていない。今年の定例会は現地9日(月)からダラスで開かれるが、先週の協議を経て、リーグとNFL選手会(NFLPA)は今年も予測を公開しないことで合意した。
情報筋によれば、今季の2億5,540万ドルからキャップが増加することは確実だという。ただし、その増加幅が判明するのは数カ月先になる見通しだ。リーグと選手会は例年、収支を精査し、2月下旬から3月上旬にインディアナポリスで開催されるNFLスカウティングコンバインの時期に最終額を決定する。
2020年の団体労働協約(CBA)は収益分配を基盤とした仕組みであり、サラリーキャップは選手が受け取る予定収益の割合を基に、給与と福利厚生に分配される。また、“media kicker(メディアキッカー)”と呼ばれる制度により、選手の取り分が48%から最大48.8%に引き上げられる可能性がある。この制度は2024年の記録的なキャップ増加の主因となったが、2025年の増額はより控えめになると予想されている。
全国的なテレビ放映収入は予測通りとなっているものの、各チームの本拠地周辺から得られる収入には変動がある。実際、これらのローカル収入は最近好調だという。情報筋によれば、1月中旬までには地元の観客動員数やスポンサー契約のデータが更新され、リーグはどのチームがプレーオフを主催する可能性が高いか、試合数、そしてチケット収入の予測をほぼ把握できるようになる。
一方、急激なキャップ増加を抑える目的で、2024年に予定されていた900万ドル(約13億4,964万円)の増額が繰り越された問題もある。情報筋によると、契約上この900万ドルは2025年と2026年に分配される予定であり、次のオフシーズンに使用される額はその半分以下にとどまる見通しだという。
こうした状況に不満を抱くNFLチームは少なくない。フリーエージェンシー(FA)やタグ、テンダーの予算を立てる上で、リーグが最終的にどの程度のキャップを見込んでいるのかが分からない状態だからだ。しかし、チームには情報開示を待つ以外の選択肢がない。
2025年のリーグイヤーとフリーエージェンシーは3月12日(水)に開始され、交渉は3月10日から解禁となる予定だ。
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