試練の1週間を経てイーグルスのパス攻撃は“間違いなく”良くなったとWRブラウン
2024年12月16日(月) 14:421週間にわたる騒動がフィラデルフィア・イーグルスの勢いを止めることはなかった。
イーグルスのオフェンスは現地8日(日)に22対16で勝利したカロライナ・パンサーズ戦で苦戦し、わずか83パスヤードしか稼げなかった。その試合後、ワイドレシーバー(WR)A.J.ブラウンがパスゲームの改善を重要課題として挙げたことをきっかけに、ディフェンシブエンド(DE)ブランドン・グラハムがブラウンとクオーターバック(QB)ジェイレン・ハーツの友情に疑問を呈した後に撤回する一幕があったほか、ヘッドコーチ(HC)ニック・シリアニが2人の関係に太鼓判を押したり、ハーツとブラウンがすべて順調だと認めたりと、さまざまな出来事が起こった。
結局、それらはすべてから騒ぎとなっている。イーグルスはハーツが290パスヤード、ブラウンが110レシーブヤードを記録する活躍を見せたおかげで、強力なピッツバーグ・スティーラーズの守備陣を完全に制圧。27対13で勝利し、10連勝を飾った。
試合後、先週の発言がパス攻撃の改善に役立ったのかと尋ねられたブラウンは「間違いない」と返答。
「理由があってそう言ったんだ。悪意があったわけじゃないし、ボールを自分に回してもらうためでもなかった。全員が同じ考えを共有して、全力を尽くすためだったんだ。自分たちの基準を満たしていなかったし、俺たちはそれについて話し合った。ただ、ロッカールームのみんなも同じことを言っていたのに、俺だけが責められたのはおかしい。でもまあいいさ」
ブラウンが意見を述べたのは個人的な利益ではなくチームのためだったが、スティーラーズ戦では確実にその目的を達成している。
ブラウンはチームで2番目に多い11回のターゲットでレシーブ8回を記録。そのレシーブ数は今季最多で、レシーブヤード(110ヤード)はシーズン第7週以降で最多となった。今回の試合で、ブラウンは過去8試合で2回目となるタッチダウンを記録。その際に初めてエンドゾーンに到達したイーグルスは、そこで築いたリードを最後まで守り抜いた。
そのタッチダウンはハーツとの連携が光る場面でもあった。ブラウンはフィールド中央でわずかなスペースを見つけ、スティーラーズのコーナーバック(CB)ドンテ・ジャクソンを引き離す形で高くジャンプしてボールをキャッチし、ハーツの信頼に応えている。
その後、ブラウンとハーツはお決まりのセレブレーションを行ったが、それでもまだ疑いを抱く、観察眼の鋭いイーグルスファンのために、2人は複数のタイミングルートや美しいバックショルダーパスで息の合ったプレーを見せた。
ブラウンはハーツとのセレブレーションについて「それはみんなに黙ってろって言うための瞬間だった」と振り返っている。
イーグルスの波乱の1週間はWRデボンタ・スミスを覚醒させるきっかけにもなった。ブラウンより1回多い12回のターゲットとなったスミスも、1回のタッチダウンを決め、シーズン最多となるレシーブ数(11回)とレシーブヤード(109ヤード)を記録している。
ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーがこの2カ月で最少のランヤード(65ヤード)にとどまったことを踏まえると、これまで批判されていたパスオフェンスがスティーラーズ戦の勝利に大きく貢献したと言えるだろう。
連勝を継続し、パス攻撃を改善するという結果は、まさにブラウンが意見を表明したときに望んでいたことだ。
ブラウンはそのような会話をすることについて「どんな感じかって? ものすごく不快だ」と話している。
「まず、俺は誰かを非難したわけじゃない。そういう話は裏でするし、お互いに指摘し合うけど、それはものすごく不快だ。攻撃されているような気分にはなりたくないからね。でも、感情のためにやっているわけじゃない。俺たちは同じ考えを持とうとしている。何よりも大事なのは、勝とうとしている。不快ではあるけど、最終的な目標を理解しているから乗り越えられるんだ」
イーグルスが勝利を重ねるにつれ、その目標はより大きく、より達成可能なものになっている。
残り3試合を控える中、12勝2敗でプレーオフ進出を確定させているイーグルスは、NFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)の第1シードとファーストラウンドバイをかけてデトロイト・ライオンズと争っている状態だ。
イーグルスが第1シードでポストシーズンに進出したのは、ブラウンがプロとして最高の活躍を見せた2シーズン前のこと。イーグルスはその年にスーパーボウルに出場している。
【RA】