ニュース

LBパーソンズが他でプレーする姿は「想像できない」とチームの見直しを迫られるカウボーイズ幹部

2024年12月16日(月) 15:31


ダラス・カウボーイズのマイカ・パーソンズ【AP Photo/Matt Patterson】

ダラス・カウボーイズの幹部スティーブン・ジョーンズの言葉を借りれば、現地15日(日)に行われたカロライナ・パンサーズとの試合を前に、5勝8敗のチームは「とにかく試合に勝つこと」だけを目指していたという。シーズンを通してこのような苦境に立たされてきたカウボーイズは、今季最後の4試合の結果にかかわらず、失意のうちにシーズンを終えることになるだろう。

このため、カウボーイズのフロント陣はオフシーズンに入り次第、失敗の原因を徹底的に見直す方針だ。オーナーのジェリー・ジョーンズ、スティーブン・ジョーンズ、選手人事担当副社長のウィル・マクレイといった面々は、高額契約を結んだ各ポジションのトップクラスの選手たちがロースター全体に与える影響を分析する予定だという。

水曜日にテキサス州ラスコリナスで行われた12月のNFLリーグミーティング終了後に、ジョーンズは『NFL.com』に次のように述べた。

「毎年、チーム全体の構成や大局を見直し、それに対してそういった選手がどうフィットするのかを考えるのは、われわれの責任だと思っている。大局を踏まえ、チームを今後どう作り上げていくべきかを考えることが重要だ」

特に注目されるのは、守備の要であるラインバッカー(LB)マイカ・パーソンズとの大型契約延長の行方だ。

カウボーイズは今シーズン、クオーターバック(QB)ダック・プレスコットと単年におけるNFL史上最高額のQB契約を結んでスタートを切った。しかし、プレスコットは11月に手術を必要とするハムストリングの負傷に見舞われてシーズン終了。その後の試合はサイドラインから見守ることしかできない。

同じくオフシーズンに大型契約を結び、リーグで最高給のレシーバーの1人となったワイドレシーバー(WR)シーディー・ラムは、現在キャッチ数とヤード数でリーグ3位につけている。しかし、プレスコットの負傷により、チーム全体の課題が浮き彫りになった。ガード(G)の中でリーグトップクラスの年俸を誇るザック・マーティンも足首の負傷でシーズン終了が決定し、今季限りでの引退もうわさされている。2023年に大型契約を結んだコーナーバック(CB)トレボン・ディッグスも今季は膝の負傷に悩まされ、『NFL Network(NFLネットワーク)』のトム・ペリセロによれば、シーズン終了を意味する膝の手術を受ける見込みだという。

これらの状況を受けて、カウボーイズ内部では方針を再検討する必要性が高まっている。つまり、トップ選手に資金を集中させるのではなく、中堅層の選手を厚くする方が得策ではないかという議論が浮上している。

「これは常に検討すべきバランスの問題だ」とジョーンズは語った。

「特に優秀な選手たちが負傷してフィールドに立てない状況では、この問題が一層際立つ。ダックやディッグス、マーティンといった選手が欠場すると、“上位5から10人にこれほどの資金を投入するのは果たして賢明なのか?”と考えざるを得なくなる」

『 Over The Cap(オーバー・ザ・キャップ)』によれば、現時点でカウボーイズは2025年のサラリーキャップスペースとして2,000万ドル(約30億7,880万円)以上の余裕があるとされている。ただし、マーティンの引退や他の要因によって、この数字は変動する可能性がある。

この状況で、パーソンズとの契約問題は避けて通れないだろう。

パーソンズは以前からカウボーイズでキャリアを全うしたいと明言している。今年2月に行われた『NFLオナーズ(NFL Honors)』の授賞式では「生涯カウボーイズいたい」とNFLネットワークに語り、その後も同様の意志を繰り返し表明している。

しかしながら、2025年にはパーソンズのルーキー契約が最終年を迎え、5年目オプションとして2,400万ドル(約36億9,456万円)以上が支払われる。次のオフシーズンは、プレスコットやラムが先に大型契約を結ぶのを辛抱強く見守ってきたパーソンズにとって、自身の番がやってくるタイミングとなる。

大型契約がチーム全体に与えるストレスを考慮し、パーソンズの契約交渉に影響が出る可能性があるかと問われたジョーンズは、「それも含めてすべてを検討する」と答えた。

「もちろん、われわれはダックとシーディーを最優先に考えている」とジョーンズは『NFL.com』に話している。

「その上で、マイカも含めたチーム全体の形を整える必要がある。マイカは素晴らしい選手だ。マイカのような選手を手放してこのリーグで成功することは難しい」

もしパーソンズがトレード市場に出ることになれば、2018年にラスベガス・レイダースがアウトサイドラインバッカー(OLB)カリル・マックをシカゴ・ベアーズにトレードした時以来、最も注目される守備選手となるだろう。当時、マックは2つの1巡指名権を含む大型パッケージで移籍した。

パーソンズがトレードされる可能性について問われたジョーンズは、「われわれはマイカを愛している。彼がカウボーイズのヘルメットをつけていないなんてシナリオは想像もできない」と答えた。

【R】