ニュース

シーズン終盤で5連勝のベンガルズHCテイラー、チームの粘り強さを称賛

2025年01月06日(月) 13:22


シンシナティ・ベンガルズのヘッドコーチ(HC)ザック・テイラー【AP Photo/Brynn Anderson】

シンシナティ・ベンガルズはやれることをすべてやり切り、後は他チームの結果を待つのみとなった。

現地4日(土)、ピッツバーグ・スティーラーズとの接戦を19対17で制し、5連勝を達成したベンガルズは、絶望的と思われたプレーオフ進出の可能性をわずかに残した。12月1日の前回対戦では、こんな展開を誰も想像していなかっただろう。

この見事な巻き返しを成し遂げてもベンガルズのプレーオフ進出は厳しく、AFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)最後のプレーオフスポットを獲得するには、日曜日にデンバー・ブロンコスとマイアミ・ドルフィンズの両チームが敗れる必要があった。このわずかな可能性にもかかわらず、ヘッドコーチ(HC)ザック・テイラーはチームの粘り強さを称賛した。

「選手たちはこの試合に絶対に勝たなければならないとわかっていた」とテイラーHCは勝利後に語った。

「彼らは正しい態度で臨み、団結してくれた。良い形で試合を終えることができ、この5週間でわれわれが成し遂げてきたことを象徴している。4勝8敗という、これ以上ないほど厳しい状況に追い込まれ、選手たちは理想とはかけ離れた現実に直面した。それでもプロセスを信じ、やるべきことを継続し、仲間を信頼し合った。その結果、5連勝を果たし、明日は運が味方してくれることを祈りながら、ファンのように応援することができる立場になったんだ」

テイラーHCが指揮するベンガルズは、4勝8敗という絶望的なスタートから、必死にもがきながら再びプレーオフ争いに食い込んだ。その過程では、わずかな差での悔しい敗北や、スーパーボウル出場経験を持つクオーターバック(QB)ジョー・バロウ率いるオフェンスを守備陣が支えきれない場面が目立った。それでも、バロウは日曜日時点でリーグ最多のタッチダウンパス43回と4,918パッシングヤードを記録しており、ワイドレシーバー(WR)ジャマール・チェイスもスーパーボウル時代で6人目となるトリプルクラウン達成に王手をかけている。

ベンガルズの苦闘を象徴する試合が、今シーズン最初のスティーラーズ戦だ。この試合でベンガルズは38得点を挙げたものの、スティーラーズに2018年以来の最多得点となる44得点を許し、敗北を喫した。

この試合は、今シーズンのベンガルズにとって30得点以上を挙げながら敗れた4試合目となり、バロウ率いるチームは残り5試合の時点で勝率.500を4試合下回る状況に追い込まれた。

カンファレンス内の順位を下げたベンガルズは、そこから一度も負けることなく、ダラス・カウボーイズとテネシー・タイタンズをアウェーで下し、クリーブランド・ブラウンズには圧勝。さらに、デンバー・ブロンコスとの延長戦を制して、シーズン最終週にプレーオフ進出の望みをつなげた。その試合はライバルチームの敵地で行われ、5週間前にベンガルズをどん底に追い込んだ因縁の相手との再戦となった。

しかし、前回スティーラーズに44対38で敗れた試合や、平均29.5得点を挙げて連勝した直近の4試合とは異なり、土曜日の試合でベンガルズのオフェンスは停滞した。皮肉にも、シーズンを通して批判を浴びてきた守備陣が、勝利を決定づける役割を果たすことになった。

ベンガルズは開始直後にタッチダウンを決めたものの、それ以降はエンドゾーンに足を踏み入れることはなかった。3度のレッドゾーン到達はすべてフィールドゴールに終わり、第1クオーターで得た10対0のリードでは心もとない状況が続いた。

その結果、第4クオーター残り11分2秒で12点差だったリードは、本領を発揮し始めたスティーラーズがわずか3分足らずのドライブでタッチダウンを決めたことで、5点差まで縮まった。

その後の2回のポゼッションで、ベンガルズのオフェンスはわずか8プレーで14ヤードしか前進できなかった。

一方、ベンガルズの守備陣が粘り強さを発揮し、スティーラーズの次のドライブをスリーアンドアウトで止めた。その後、コーナーバック(CB)D.J.アイビーが相手のパントに触れたことでスティーラーズは敵陣38ヤードからの攻撃開始となり、フィールドゴールに終わっている。

試合残り1分40秒、2点リードの場面でベンガルズの守備陣が試合を締めくくる役割を任されると、シーズン第18週時点で被得点ランキング29位のユニットがスティーラーズの攻撃を封じ込めた。リードを守り切り勝利を収めたこの試合で、ベンガルズのディフェンスは193総被ヤード、119被パスヤードと、いずれも今季最低の数字に相手を抑えている。

「大きな勝利だった」とバロウは語った。

「チーム全員が力を合わせなければならない試合だったが、多くの選手が重要な場面で活躍してくれた。あとは結果を待つだけだ」

特に大きな役割を果たしたのがディフェンシブエンド(DE)トレイ・ヘンドリックソンだ。スティーラーズの最後の2回のポゼッションで連続してサックを決め、この試合で合計3.5回のサックを記録。これにより、自身のシーズン記録をNFLトップの17.5回に伸ばした。

バロウやチェイス、ヘンドリックソンといったリーグトップクラスの選手を各ポジションに擁し、5連勝の勢いに乗るベンガルズがもしプレーオフに進出していれば、大きな波乱を巻き起こす可能性を秘めていた。

「このチームの才能はわかっている」とバロウは話していた。

「過去にもこうした状況を経験しているし、もしプレーオフに進めば、このチームの選手とコーチ陣で結果を出せると確信している」

テイラーHCはさらに自信を示した。

「他のチームは、われわれがプレーオフに出るのを嫌がっている。それだけは確かだ」

【R】