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ブレイディOCの引き抜きを懸念するビルズQBアレン

2025年01月10日(金) 13:44


バッファロー・ビルズのジョー・ブレイディ【NFL]

攻撃コーディネーター(OC)ジョー・ブレイディがNFLで最強の攻撃陣を率いる存在へと成長するまでには、長い時間がかかった。

ルイジアナ州立大学(LSU)での実績が評価されたブレイディは、ヘッドコーチ(HC)マット・ルール率いるカロライナ・パンサーズのOCに抜擢された。しかし、期待に応える結果を残せず降格。その後、2023年シーズン途中にバッファロー・ビルズがケン・ドーシーOCを解任したことで、再び重要な役割を担うことになったブレイディは、ビルズのオフェンスをNFL屈指のバランスの取れた強力なユニットへと変貌させた。

その成果により、ブレイディは新たなヘッドコーチを探すチームの注目を集めている。一方で、ビルズのクオーターバック(QB)ジョシュ・アレンは、他チームがしばらくの間、ブレイディの存在を見過ごしてくれることを願っているようだ。

『NewYorkUpstate.com』によれば、ブレイディの貢献について問われたアレンは、「特に何も」と冗談めかして答えたという。

「彼は何もしてくれていない。他のチームは彼に手を出さない方がいい」

ブレイディがドーシーに代わってOCに就任すると、ビルズの攻撃陣は即座に変化を遂げた。それまでアレンの才能に過度に頼っていたオフェンスを見直し、ランプレーを再び重要視することで、バランスの取れた攻撃スタイルを取り戻したのだ。ビルズはそのシーズンの最後の5試合を連勝し、プレーオフのディビジョナルラウンドまで駒を進めた。

さらに2024年には、オフシーズンの初めから指揮を執る機会を得たブレイディのもと、攻撃陣は飛躍的な進化を遂げた。ビルズは1試合平均ヤード数でリーグ10位、ラッシングヤードとパスヤードの両部門で9位を記録。アレンはMVPの最有力候補に挙げられている。また、ランニングバック(RB)ジェームス・クックは地上戦で2年連続となる1,000ヤードシーズンを達成。オフシーズンにワイドレシーバー(WR)ステフォン・ディグスを失ったにもかかわらず、チームは13勝4敗の成績を収めている。

「彼は本当に素晴らしい存在だ」とアレンはブレイディについて語った。

「去年のように、シーズンの途中でプレーコーラーを変えるのは簡単なことじゃない。でも、彼が就任してからのチームの成績を見れば、その違いは明らかだ。彼は組織の中で最もポジティブな人物の一人で、いつもチームに活力を与えてくれる。それが彼の魅力だし、チーム全員が彼のことを大好きで、感謝している理由だ。彼は本当に飾らない人なんだ」

ブレイディは2017年から2018年にかけて、ニューオーリンズ・セインツでショーン・ペイトンの下でアシスタントとしてオフェンスの指導を学んだ。そのノウハウをLSUで活かしたブレイディは、カレッジフットボール史上最も爆発力のあるパス攻撃を展開。クオーターバック(QB)ジョー・バロウを司令塔に、WRのジャスティン・ジェファーソンとジャマール・チェイスがフィールドを駆け巡り、タイガースは無敗でカレッジフットボールプレーオフ全国選手権を制覇した。ブレイディはカレッジフットボール最高のアシスタントコーチに贈られるブロイルズ賞を受賞している。

パンサーズでの苦戦にもめげず、ブレイディは逆境を乗り越えてビルズの攻撃陣を率いるという理想的な役割を手にした。ビルズは、ブレイディが引き続きチームをけん引し、1990年代初頭以来となるスーパーボウル進出を果たすことを期待している。

そして、もしアレンの願いが叶うなら、他チームがブレイディに関心を示すことはないだろう。

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