4回のインターセプトで「チームを失望させた」と落胆するチャージャーズQBハーバート
2025年01月13日(月) 12:26ロサンゼルス・チャージャーズはジム・ハーボーHC(ヘッドコーチ)の下で過ごした1シーズンで、強力なアイデンティティを築き上げた。
しかし、プレーオフでの1試合でそれを失ってしまったようだ。
強固なディフェンスや力強いラン攻撃を誇り、ボールをしっかりと守る傾向があることで知られるチャージャーズは、現地11日(土)に32対12で敗れたヒューストン・テキサンズ戦でそれらの特性を一切発揮できなかった。特に驚きだったのは、クオーターバック(QB)ジャスティン・ハーバートが4回ものインターセプトを喫したことだ。
試合後、ハーバートは「チームを失望させてしまった。あんなふうにターンオーバーしたら試合に勝つことなんて期待できない」とコメント。
「ああいう4回のターンオーバーでチームを厳しい状況に追い込んでしまった。ディフェンスが粘り強く戦って、相手にターンオーバーを強いてチャンスを与えてくれたのに。とにかく俺はもっと成長しないといけない」
チャージャーズが攻撃面でより保守的なアプローチをとったため、今季のハーバートは過去のシーズンほど傑出した成績を残していないが、昨季を5勝12敗という悲惨な結果で終えたチャージャーズを再びプレーオフ進出に導いたことは、間違いなく素晴らしいと言えよう。
ハーバートはレギュラーシーズンを通して3,870パスヤード、タッチダウン23回、インターセプト3回を記録し、インターセプト率(0.6%)はリーグで最も少なかった。
しかし、ハーバートはテキサンズ戦で終盤4回のポゼッション中3回でインターセプトを喫し、結果として、シーズン通算成績を上回る4回のインターセプトを記録している。
それは、チャージャーズがテキサンズを制圧する準備を整えたように見えた直後に始まった、驚くべき崩壊だった。
6対0とリードする中、チャージャーズはインターセプトを決めたことでテキサンズの40ヤードラインから攻撃を開始。しかしながら、ハーバートはその1回目のプレーでワイドレシーバー(WR)クエンティン・ジョンストンにディープパスを試みるも失敗し、ボールはコーナーバック(CB)カマリ・ラシターの手に渡ってしまった。
試合が進行する中、徐々に持ち直してリードを奪ったテキサンズに対し、ハーバートは逆転を果たすことができなかった。
わずか4プレーの間に起こった次の2回のインターセプトは、どちらもボールが弾かれた結果だった。テキサンズのセーフティ(S)エリック・マレーはWRラッド・マコンキーに向けて投げられた高いパスを奪い、得点に結びつけている。また、タイトエンド(TE)ウィル・ディズリーへの完璧なパスも、コーナーバック(CB)デレク・スティングリーJr.によって奪われた。
ハーバートの最後のインターセプトは20点差をつけられた状態で喫したもので、再びディープパスを試みた結果、またしてもスティングリーJr.がインターセプトを記録している。
チーム公式サイトによると、ハーバートは自身のパフォーマンスについて「自分ほど落ち込んでいる人はいない」と語ったという。
とはいえ、ハーバートの苦戦以外にも、非難されるべき点は多くある。
チャージャーズのオフェンシブラインはドロップバックの52.8%でプレッシャーを許した。また、NFLで5番目に少ないパスアテンプト数でポストシーズンに臨んだチャージャーズは、勝利の方程式を理由もなく放棄。今季、ランニングバック(RB)J.K.ドビンズが出場した試合の平均ランヤード(121.8ヤード)は、欠場した試合のランヤード(74.8ヤード)に比べて約45ヤード多かった。それにもかかわらず、チャージャーズはドビンズの出場時間を伸ばすのではなく、わずか9回のキャリーにとどめている。
一方、被得点でリーグトップに立つチャージャーズ守備陣もテキサンズに99ヤードと45ヤードのロングドライブを許し、いずれも得点を奪われた。結果として、チャージャーズは第2クオーター終了間際に6対0のリードを覆され、4点差をつけられた状態でハーフタイムを迎えている。
それはハーボーHCらしくないフットボールだったと言えよう。
またしてもプレーオフで苦しい展開に見舞われたチャージャーズは、根気強く応援してきたファンがついに脱却することを望んでいたアイデンティティに戻ってしまった。結局、彼らはいつものチャージャーズだった。
2024年シーズンは今回のような結末を迎えたが、それはまだハーボーHCの就任初年度に過ぎない。短期間で大きな巻き返しを見せ、昨季よりも6つも多くの白星を挙げて第5シードとしてプレーオフに進出したチャージャースには、ここからさらに成長させられる部分がある。
常に楽観的なハーボーHCはチャージャーズが今季の経験をもとにさらに成長できると確信している。
「これまで所属した中で一番気に入っているチームだ」と述べたハーボーHCは「私が約束できるのは、太陽は明日も昇り、人類がまだ経験したことがないほどの熱意で、私たちがそれに向かっていくということだ」と続けた。
【RA】