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決勝FG前のルーティンが注目され、強迫性障害について明かすコマンダースKゴンザレス

2025年01月16日(木) 09:55


ワシントン・コマンダースのゼイン・ゴンザレス【AP Photo/Peter Joneleit】

キッカー(K)ゼイン・ゴンザレスは現地12日(日)にキャリアで最も重要なキックを成功させ、ワシントン・コマンダースに2005年シーズン以来となるプレーオフ勝利をもたらしたが、その前には自身のルーティンを済ませていた。

ゴンザレスは日曜夜に『NBC』のカメラが捉えた入念なルーティンによって話題となっている。それには、靴下を整えたり、ヘルメットを軽くたたいたりする動作が含まれていた。その個人的な手順は迷信や儀式によるものではなく、ゴンザレスが強迫性障害(OCD)を患っていることによるものだ。ゴンザレスは重要なキックを蹴る前に、自身がどう見えるかを気にしていたわけではなく、単にキックを決めることに集中していた。

『The Washington Post(ワシントン・ポスト)』のニッキー・ジャブバラによると、ゴンザレスは「どちらかと言えば、自分よりも妻や家族の方が動揺している」と語ったという。

「俺はもう慣れている。知っている人や、キックを見たことがある人は、俺が何百回もあれをやっている姿を見てきたはず。日曜日の夜にあれだけ大きな舞台で決勝点を決めたことで、注目度が少し高まったっていうことは俺も分かっている。それが俺という人間で、俺が経験してきたことだ。あの動きがどれほど異常に見えるかは、誰よりも俺が理解している。自覚しているけど、それと同時に、どうすることもできないんだ」

強迫性障害は当事者の生活のあらゆる側面を変えてしまうものだが、ゴンザレスは障害と共存する方法を学んできた。

ゴンザレスは「できるだけ目立たないようにするために、いくつか心がけていることがある。とにかく理解し、それを済ませ、フィールドに出るのにメンタル的に準備できることは何でもする。ヘルメットのことは文字通り俺が最後にすることだ」と話している。

2017年ドラフト7巡目でクリーブランド・ブラウンズから指名されたゴンザレスは、そこで18試合に出場した後、リーグを転々としてきた。ゴンザレスはアリゾナ・カーディナルスで3シーズン、カロライナ・パンサーズで1シーズンを過ごした後、2022年シーズン以降はNFLの試合でキックを蹴っていなかった。29歳のゴンザレスは昨年11月にコマンダースに加入し、ケガで欠場した期間もあったが、シーズン第10週以降はメインキッカーとして活躍している。今シーズン、ゴンザレスはプレーオフを含めてフィールドゴール10回中8回、ポイント・アフター・タッチダウン21回中21回を成功させてきた。

日曜夜、ゴンザレスはキャリアで最も重要なキックでコマンダースの18年にわたるプレーオフでの不運な流れに終止符を打った。また、その37ヤードのキックはポストに当たった後に通過するというドラマチックな展開となっている。

ゴンザレスは「これまでにフィールドゴールをバンクさせた(跳ね返らせた)ことはあったけど、あれはキャリア最大のバンクショットになったと言える。本当に決まってほしかったからポストに当たる音なんか聞きたくなかった。ちょっとだけ外れてしまったけど、自信はかなりあった」と振り返った。

ゴンザレスの自信に満ちたキックにより、コマンダースはデトロイト・ライオンズと対決するディビジョナルラウンドにコマを進めている。コマンダースが現地18日(土)夜に番狂わせを起こすとすれば、ゴンザレスが再び重要な役割を果たすことになるだろう。

【RA】