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郊外のドーム型スタジアムへの移転をめぐって市がブラウンズを提訴

2025年01月16日(木) 11:13


クリーブランド・ブラウンズ【NFL】

クリーブランド・ブラウンズが拠点をダウンタウンから郊外に移し、ドーム型スタジアムを建設する計画に反対してきたクリーブランド市が、ついに提訴に踏み切った。

市は、2028年シーズン終了後に現在のスタジアムのリース契約が満了するタイミングで、ブラウンズがクリーブランド湖畔を離れることを阻止するために訴訟を起こした。チームのオーナーであるディー・ハスラムとジミー・ハスラムは、クリーブランド市の南約15マイル(約24キロ)に位置するオハイオ州ブルックパークに、25億ドル(約3,759億7,200万円)規模のスタジアムと隣接するエンターテインメント複合施設を建設する計画を進めている。

現地14日(火)、クリーブランド市はカヤホガ郡コモン・プレアーズ裁判所に訴えを提起した。

ブラウンズは過去にも移転問題を経験している。1995年に新スタジアム建設を巡る交渉が市と決裂し、故アート・モデル元オーナーがフランチャイズをボルティモアに移転させた際、ブラウンズファンは大きな失望を味わった。

この混乱を受けて1996年に制定された“Modell Law(モデル法)”は、ホームゲームを開催する施設に州の資金を使用しているプロスポーツチームが、許可なく、または事前通知なしに移転することを禁じている。

1996年に承認されたこの法律は、地域住民にチームを購入する権利や新たな買い手を見つける機会を与えることも規定している。今回の訴訟で市側は、ブラウンズがこれらの義務を果たしていないと主張している。

ブラウンズ側は、市の訴訟に関してコメントを出していない。

昨年10月、チームはクリーブランド市長のジャスティン・ビブに対し、最先端のスタジアムを建設する計画を伝え、その一部を公的資金で賄う提案を行っている。現在ブラウンズが本拠地としているハンティントン・バンク・フィールドは1999年に完成し、モデルがオーナーを辞任した後、ブラウンズが拡張チームとしてクリーブランドに戻った際から使用されている。

一方、チーム側はモデル法の法的解釈を明確にするため、連邦裁判所に訴訟を提起しており、現在も審理が続いている。

ハスラム夫妻は、過去にモデル法の恩恵を受けたことがある。2019年にメジャーリーグサッカー(MLS)のコロンバス・クルーがオハイオ州コロンバスから移転するのを防ぐため、この法律が適用され、夫妻は同チームを買収した。また、『Haslam Sports Group(ハスラム・スポーツ・グループ)』はNBAのミルウォーキー・バックスの少数株も保有している。

クリーブランド市はこれまでに、6万5,000人を収容できる現在のスタジアムの改修費用として、4億6,100万ドル(約719億9,437万円)を支援する提案を行っていた。

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