延長契約を望むオコンネル、「バイキングスのHCを務めることが大好きだ」
2025年01月17日(金) 12:142024年シーズンに成功を収めたミネソタ・バイキングスだが、シーズンの幕引きは失望に終わった。特にクオーターバック(QB)サム・ダーノルドにとって、最後の2試合は悪夢のような内容だった。
その結果、バイキングスは2025年シーズンに向けていくつかの重要な課題に直面している。ダーノルドはチームの計画に含まれるのか。2024年ドラフトで1巡目指名されたQBのJ.J.マッカーシーの役割はどうなるのか。そして、ヘッドコーチ(HC)ケビン・オコンネルは引き続きミネソタに残るのか。
まず注目されるのは、現行契約があと1年残るオコンネルHCの将来だ。
バイキングスとの延長契約を結びたいかと問われたオコンネルHCは、「もちろんだ」と答えた。
「オーナー陣とは良い会話ができている。シーズンが終わった今、反省点や次のステップについて議論を進めているが、その詳細は内部にとどめておきたい」
延長契約を結ぶ時期については明言を避けたオコンネルHCだが、チーム内部に緊張感があるとのうわさについて質問された際には、次のように語った。
「ミネソタ・バイキングスのヘッドコーチを務めるのが大好きだ。オーナー陣との関係は良好で、とても恵まれていると思っている。彼らのサポートと信頼だけでなく、選手たちやロッカールーム、そしてチーム全体の目標に対する影響力が本当に素晴らしいと感じている」
一方で、チームはクオーターバックの課題を抱えている。
ダーノルドは予想外の先発QBとして起用され、キャリア最高のシーズンを送った。パス成功率66.2%、4,319ヤード、タッチダウン対インターセプト比は35対12を記録。バイキングスを14勝に導き、ポストシーズンに向けてNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)のトップシードを狙える位置にチームを押し上げた。
しかし、バイキングスはシーズン第18週にNFC北地区のライバルであるデトロイト・ライオンズに大敗し、NFCトップシードの座を逃した。この試合は、ダーノルドにとって2024年シーズン最悪のパフォーマンスとなった。さらに、その翌週の重要な場面でもダーノルドは力を発揮できず、40回中25回のパス成功にとどまり、9回のサックを受けるなど、パスの判断に迷う場面が目立ち、チームは再び大敗を喫した。
プレシーズンで膝を負傷し、ルーキーシーズンを全休した1巡目指名のマッカーシーがロースターにいることや、シーズン終盤のダーノルドのパフォーマンスを考慮すると、フリーエージェントのタイミングが迫る中で、ベテランQBダーノルドのチーム内での立場が保証されているとは言えない状況だ。
「サムは誇りに思うべきシーズンを送った」とオコンネルHCは話している。
「シーズンの最初から最後まで、彼は日々の準備を怠らず、期待に応えてくれた。彼はこのリーグでどのように成功できるかを学び、リーグ全体に対して、勝てるレベルのクオーターバックとしてプレーできることを証明したと思う。特に1年目で14勝を挙げたことは、これまでこのリーグで誰も成し遂げていない偉業だ。それはサム自身の努力の成果であり、日々彼と共に取り組んできた(クオーターバックコーチの)ジョシュ・マカウンや(アシスタントコーチの)グラント・ユディンスキー、そして彼のチームメイトたちの力によるものだと思う」
「サムが送った1年を振り返ると、彼をこのチームに迎え入れることを決めた際、まさにこうした活躍を期待していた。昨年、彼をチームに加えると決めてから、彼がキャリア最高のフットボールをプレーできるよう、すべてが計画的に進められてきたと思う。そして、実際に彼はそれを成し遂げた。その点において、サムを心から誇りに思っている」
確かにダーノルドの努力は称賛に値するが、それだけでは彼のシーズン全体を正確に評価することはできず、バイキングスが今後どう進むべきかを決定する材料にもならない。ジェネラルマネジャー(GM)クウェシ・アドフォ・メンサは人事の責任者として、ロースター構築の観点から状況を捉えており、「チームのビジョンに合う優れた選手を多くそろえるのは悪いことではないと思う」と述べている。アドフォ・メンサGMはクオーターバックの現状に一定の満足感を示しつつも、ダーノルドに固執することなく、ロースターの柔軟性を優先する姿勢を明確にしている。
「マッカーシーをドラフト10位で指名した決断について考えると、このスポーツで最も重要なポジションについて話してきたように、選択肢を持つことが大事だ」とアドフォ・メンサGMは語った。
「ドラフトは不確実なものであり、フリーエージェントも同様だ。われわれはこのポジションで高いレベルのプレーが可能だと信じる2人の選手を迎え入れた」
「もちろん、J.J.はドラフト上位指名の選手であり、将来に向けて投資している選手だ。ただ、そのタイムラインがどのようになるかは明確に決めていなかった。われわれが現在のQB陣に満足しており、自信を持っていることだけは間違いない」
アドフォ・メンサGMによれば、マッカーシーは2025年の復帰に向けて順調に準備を進めているという。次のシーズンで先発QBの座をつかめるかどうかはマッカーシー次第といえそうだが、そのプロセスが本格化するのはまだ数カ月先となる。それでも、バイキングスはマッカーシーにチャンスを与える意向のようだ。
ダーノルドがこれらの計画にどのように関与するのかは、まだ明らかではない。ダーノルドのシーズンを振り返りながら将来について問われた際、アドフォ・メンサGMは過去形で語りつつ、将来の準備における自身の考え方を説明した。
「サムの素晴らしいフットボールを目の当たりにすることができた」とアドフォ・メンサGMは切り出し、次のように続けている。
「シアトルやランボー・フィールドで行われた重要な試合で勝利を収め、その中でサムは大いに活躍した。まさに“彼がいたから勝てた”と言える試合が数多くあった」
「ただし、それを総合的に評価する必要がある。オフシーズンでは、全体のバランスを考えながら検討を進めるつもりだ。型にはまった答え方はしたくないが、すべての判断は“彼を取り巻くチームがどのような形になるのか”という視点に基づいている。このピースがチャンピオンシップを目指す全体の構図に適合するかどうかを見極める。昨シーズンと同じように、そのプロセスを進めていくつもりだ」
ロサンゼルス・ラムズとのシーズン最終戦での敗北以降のオコンネルHCの発言から判断すると、バイキングスはダーノルドがより多くの報酬と先発の機会を求めて他チームに移籍する可能性を受け入れる準備ができているようだ。これは、2024年のパフォーマンスでダーノルドが勝ち取った正当な権利といえる。
バイキングスはこのオフシーズン、クオーターバックをはじめとするロースター構成において、難しい決断を迫られている。シーズン終盤の敗北から立ち直りつつあり、間もなく未来に向けた道を歩み始めるだろう。
その道筋にダーノルドが含まれるかどうかは注目されるポイントだ。
【R】