ジャガーズが4シーズンにわたってGMを務めたトレント・バールケと決別
2025年01月23日(木) 11:34NFLの採用サイクルにさまざまな動きが生じる中、現地22日(水)に1人の参加者がそのサイクルから脱落した。
ジャクソンビル・ジャガーズがジェネラルマネジャー(GM)トレント・バールケと決別すると発表。
ヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンは1月初旬に解雇されたが、オーナーのシャド・カーンはバールケを支持していた。今後、チームはペダーソンの後任探しを継続する一方で、新GMの選考も開始することになる。
カーンは声明で「今週、トレント・バールケと何度か話し合った結果、即座に敬意を持って別れることが双方にとって最善の選択だという結論に達した」と述べ、こう続けた。
「トレントには、この5シーズンにわたって尽力してくれたことに心から感謝している。イーサン・ウォーが暫定ジェネラルマネジャーとして重要な役割を担い、他のスタッフとともに、新ヘッドコーチ候補との面談プロセスを進めていく。私はジャクソンビルで勝てるチームを作ることに全力を尽くしており、選手とファンのためにそれを実現できる新ヘッドコーチを迎え入れることを楽しみにしている」
バールケの退任はペダーソンの解任から約2週間後に発表された格好だが、そのタイミングは興味深いと言えよう。
水曜日、タンパベイ・バッカニアーズの攻撃コーディネーター(OC)であり、ジャガーズのHC職の最有力候補だったリアム・コーエンが、自らジャガーズの候補から外れ、昇給が約束された中でバッカニアーズに戻ることを選んだ。
その数時間後、バールケの退任が発表されている。
そのタイミングは単なる偶然かもしれないが、ジャガーズがこの半年間で方向性を欠いていたことを示唆している。ペダーソンが解任されるといううわさは、2024年シーズン終了時に実際に解任される数カ月前から流れていた。ジャガーズは奇妙にもバールケを残留させることを選び、カーンは実質的にジャガーズの成績不振をペダーソンに押し付ける形となった。
1月6日、バールケを残留させた理由を尋ねられたカーンは「大切なものを無用なものと一緒に捨てたくはない」と返答。
「私たちには取り組んでいることがたくさんあり、その部分は常に良くなっていくだろう。修正が必要だが取り組んでいないこともある。コーチングは今すぐに修正が必要な分野だ」
さらに、カーンは“自分と同じ志を持ち、ジャクソンビルで提供する特別な機会をつかむ準備ができたリーダーを採用するために、組織内の者や組織に近い者”およびバールケと協力するつもりだとつけ加えていた。
今のところ、そのようなコーチは現れていない。ジャガーズと面談した3人の有力候補者――ベン・ジョンソン(シカゴ・ベアーズ)、アーロン・グレン(ニューヨーク・ジェッツ)、コーエン――は他のチームと契約をまとめている。ジャガーズが2回目の面談を予定している候補者は、ラスベガス・レイダースの守備コーディネーター(DC)パトリック・グラハムと、元ジェッツHCロバート・サラーの2人だけだ。
ジャクソンビルで新体制が後を継ぐための道筋を整えるのに絶好のタイミングがあるとすれば、それは今だろう。カーンはそれを認識し、迅速に行動したようだ。そして、「即座に」という文言を用いることでその決断を強調している。
ジャガーズのフロントオフィスに5年間在籍したバールケは、選手人事部門ディレクターから暫定GMとなり、最終的にフルタイムのGMに昇格した。2021年から2024年にかけてジェネラルマネジャーを務めたバールケは、クオーターバック(QB)トレバー・ローレンスや、ローレンスのクレムソン大学時代のチームメイトであるランニングバック(RB)トラビス・イーティーエンをはじめ、多くの選手の選定を指揮し、ジャガーズが2022年ポストシーズンにロサンゼルス・チャージャーズを下すのに貢献。その後、ジャガーズはディビジョナルラウンドで後にスーパーボウルチャンピオンとなったカンザスシティ・チーフスに敗れた。
それが、バールケの下でジャガーズがプレーオフに進出した最後のシーズンとなっている。ジャガーズは2023年シーズン後半に低迷し、9勝8敗の成績でプレーオフ進出を逃した。その1年後にはどん底を味わい、4勝13敗という結果に終わっている。
次の体制がジャガーズをすぐに立て直すことができるのかに注目だ。
【RA】