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2025年ドラフトで“逸材”は見逃さないと全体1位指名権を持つタイタンズ

2025年01月23日(木) 12:19


テネシー・タイタンズのジェネラルマネジャー(GM)マイク・ボルゴンジ【AP Photo/George Walker IV】

テネシー・タイタンズはチーム取って重要なオフシーズンに入った。2025年NFLドラフトで全体1位指名権を持つ中、誰を指名するかという重大な決断を迫られている。

フットボールオペレーションのトップを務めるチャド・ブリンカーは、自身が直接指名を行うことはなく、新ジェネラルマネジャー(GM)のマイク・ボルゴンジが最終決定を下すと明言している。その上で、ブリンカーは全体1位指名に関してひとつだけ確かなことがあると語った。

「NFLドラフトの全体1位指名で、逸材を見逃すことはしない。それだけは絶対にしない」とブリンカーは現地22日(水)に記者団に述べた。

しかしながら、全体1位で指名できる“逸材”が本当に存在するのかどうかは不透明だ。

2025年のドラフトクラスは流動的な状況にあり、月曜日に行われた大学全米選手権に出場した4年生以下のエントリー締め切りは今月24日まで延長された。この後、各チームはドラフト対象となる選手の暫定リストを受け取るが、選手は2月7日(金)までにエントリーをキャンセルすることができる。現時点で、一部のスカウトや評価者は、例年に比べて2025年のドラフトはトップ指名にふさわしいエリート級の選手が少なくなると予想している。

ボルゴンジGMは、タイタンズが全体1位指名の方針を見極めるには時期尚早だと言う。

「現時点ではまだ議論の初期段階だ」とボルゴンジGMは述べている。

ボルゴンジGMは、過去14年間在籍したカンザスシティ・チーフスからタイタンズに加入した。2013年にはヘッドコーチ(HC)アンディ・リードの就任に合わせて大規模なロースター改革を主導した経験を持つ。チーフスは2012年シーズンを2勝14敗という成績で終え、翌2013年のNFLドラフトで全体1位指名権を獲得した。

その当時、チーフスは優秀なクオーターバック(QB)を必要としていたが、今シーズン3勝14敗で終わったタイタンズもまた、QBのパフォーマンスが不安定だった点で同じ状況にある。

リードHCが2013年に行った最初の重要な人事は、トレードでQBアレックス・スミスを獲得したことだった。この取引は第47回スーパーボウルの前に成立し、2013年のリーグイヤー初日に正式発表された。その後、チーフスは全体1位指名でオフェンシブタックル(OT)エリック・フィッシャーを指名している。

タイタンズが全体1位指名に値するQB、つまり彼らの言う“逸材”がいないと判断した場合、まずは他チームからベテランQBを獲得し、ドラフトで最も優れた選手を指名するという、チーフスがかつて取ったのと同様のアプローチを採用する可能性がある。

それでもボルゴンジGMは、ドラフトが再建の最も確実な方法だと強調し、「フリーエージェンシーで補強はするが、チームの中心はドラフトを通じて構築したい」と話している。

ドラフト全体1位指名権であれ、その後の指名順位であれ、ボルゴンジGMはトレードダウンを非常に前向きに検討している様子で「ドラフト指名権はわれわれにとって最大の通貨だ」と語っている。興味深いことに、ボルゴンジGMはチーフスのフロントオフィスに在籍していた際、ワイドレシーバー(WR)ディアンドレ・ホプキンスのトレードを通じて、タイタンズが将来のドラフト指名権を増やす手助けをしている。この取引により、2025年の5巡指名権がタイタンズに譲渡された。一方で、タイタンズは昨年3月にコーナーバック(CB)ラジャリウス・スニードをトレードで獲得した結果、2025年の3巡指名権をチーフスに譲渡しなければならない。

「常に目指すのは、トップ100の指名権を可能な限り多く確保することだ」とボルゴンジGMはコメント。

ボルゴンジGMは先入観を持たずにドラフトに臨むという。

「オープンな姿勢で臨み、すべての状況を評価し、全体1位指名権で最善の決断を下す」とボルゴンジGMは述べた。

また、現在のタイタンズのロースター状況についても現実を直視しており、要するに助けを必要とする状況だと認めている。

「ロースターには優秀な選手がいるが、現時点では3勝のチームで、それでは不十分だ」とボルゴンジGM。

「先発のアップグレードや層の強化など、あらゆる方法で改善を目指す必要がある。コーチ陣とじっくり話し合い、選手全員をより深く理解するつもりだ」

さらに、ボルゴンジGMはチーム再建には時間がかかると指摘し、インスタントコーヒーのようにすぐにできるわけではないと語った。

ドラフト前にタイタンズがベテランQBを探し求めるかどうかが明らかになれば、次は2025年のドラフトクラスに“逸材”が存在するのか、またその選手がどのポジションにいるのかに注目が集まるだろう。

【R】