ターンオーバー4回でイーグルスに敗れたコマンダース、「あのチームに余計な攻撃機会を与えてはいけない」
2025年01月27日(月) 23:09ワシントン・コマンダースがレギュラーシーズンに記録したターンオーバーの数は、リーグ内で少ない方から数えて同率8位だった。そして、プレーオフ初戦とディビジョナルラウンドでも、相手から合計6回のターンオーバーを奪った一方、自らは一度もボールを失わないという完璧なパフォーマンスを見せ、夢のようなシーズンを続けていた。
しかしながら、それはフィラデルフィア・イーグルスと対戦したNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームで崩れ去った。コマンダースは各クオーターで1回ずつ、合計4回のターンオーバーを犯し、イーグルスに55対23で大敗。イーグルスは第59回スーパーボウル進出を決めた。
イーグルスよりも4つ多く犯したターンオーバーは試合の行方を大きく左右し、イーグルスに28点を許す結果となった。ここ最近の試合でターンオーバーを抑えていた若いコマンダースにとって、現地26日(日)の大失態は異例とも言える。
「この7週間、われわれは攻守がそれぞれの役割をしっかりと果たす補完的なフットボールを展開してきた。それはターンオーバー数の差にも現れている」とコマンダースのヘッドコーチ(HC)ダン・クインは語った。
「しかし、今回は自分たちでチャンスを引き寄せることができず、逆に4回もボールを失い、それが28失点につながった。その影響は非常に大きい。この試合を大きく左右する要因になることは分かっていた」
この対戦を迎える前、コマンダースはプレーオフで相手から合計6回のターンオーバーを奪っており、デトロイト・ライオンズには5つのターンオーバーを強いた。一方のイーグルスも同様に、プレーオフにおける相手とのターンオーバー差は6回。イーグルスはグリーンベイ・パッカーズとロサンゼルス・ラムズを相手に一度もターンオーバーを犯すことなく、相手から6回のターンオーバーを奪っている。
コマンダースのルーキークオーターバック(QB)ジェイデン・ダニエルズは、「ターンオーバーは試合に大きな影響を与える。特にフィリーのような強いチームを相手にする場合、余計な攻撃チャンスを与えてはいけいない」と話している。
ダニエルズはこの試合で48回中29回のパスを成功させ、255ヤード、タッチダウン1回、そしてシーズン第17週以来となるインターセプトを記録。また、自らの足で48ヤードとタッチダウン1回を獲得した。ダニエルズのパスは第4クオーター残り5分、25点差を追いかける状況でインターセプトされ、この時点で試合の勝敗はすでに決していた。
それ以前にコマンダースが犯したターンオーバーにより、イーグルスが主導権をにぎる展開となった。第1クオーター、7対3とリードされていた場面で、ワイドレシーバー(WR)ディヤミ・ブラウンが自陣でファンブル。その結果、ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーにこの試合2回目のタッチダウンを許した。
続く第2クオーター終盤、イーグルスが20対12とリードを広げた状況で、コマンダースはハーフタイム前に同点を狙えるチャンスを迎えた。しかし、キックオフリターン中に今度はRBジェレミー・マクニコルスがファンブル。これによりイーグルスに追加のタッチダウンを許し、わずか1分も経たないうちに点差がさらに広がった。
第3クオーター終盤、勢いを取り戻したコマンダースはイーグルスとの点差を34対23に縮めた。ところが、RBオースチン・エイケラーがミッドフィールド付近でボールを奪われたことで、試合の勝敗がほぼ決定的となった。
「こんな気持ちは二度と味わいたくない」とダニエルズは話している。
クインHCは自身のチームのターンオーバーが痛手だったことを認めつつ、イーグルスからターンオーバーを奪えなかったことも敗因の1つだと言う。
「自分たちのミスをプラスに変えるには、相手からボールを奪うことも必要だ」とクインHC。
「イーグルスには敬意を表したい。彼らはわれわれからターンオーバーを引き出した。これはスナップミスや無謀なプレーによるものではなく、彼らが決めたプレーだ。これは(イーグルス守備コーディネーター)ビック・ファンジオとそのチームの素晴らしい働きによるものだ」
今シーズン、イーグルスはコマンダースを攻略する方法を見いだしたかのようだった。3度の対戦で、イーグルスはコマンダースから10回のターンオーバーを奪い、自らのターンオーバーはわずか2回にとどめた。一方、コマンダースは他の17試合では合計10回しかターンオーバーを記録していない。
「俺たちにはこの舞台に立つ資格があると信じていた」とダニエルズは語った。
「フィリーに賛辞を送りたい。素晴らしいチームだ。健闘を祈るよ」
失望はあるものの、ダニエルズは今シーズンに多くの誇るべき点があったと振り返り、この経験を糧にしていくことを誓った。
「もちろん悔しい。心底悔しい」とダニエルズは語り、こう続けた。
「でも、ロッカールームの仲間たちを心から誇りに思っている。1年目のシーズンで俺たちは一つにまとまって、この舞台まで来ることができた。結果として敗れたけど、この経験を乗り越えて必ず前に進む」
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