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懐かしのニューオーリンズで躍進の年をスーパーボウル優勝で終えたいと願うイーグルスLBバウン

2025年02月07日(金) 19:28


フィラデルフィア・イーグルスのザック・バウン【AP Photo/Gerald Herbert】

フィラデルフィア・イーグルスが第59回スーパーボウルのオープニングナイトでステージに立った時、ラインバッカー(LB)ザック・バウンは懐かしさを感じていた。

彼がスーパーボウルに出場するのは初めてだ。しかし、バウンはニューオーリンズ・セインツの一員として、日曜日に何度もシーザーズ・スーパードームでプレーしたことがある。セインツは2020年のNFLドラフト全体74位で彼を指名したチームだ。

自分が唯一知るNFLチームを離れ、2024年にセインツのゴールドとブラックからイーグルスのミッドナイトグリーンに着替えたバウンは、より偉大なものの一部となるチャンスを夢見てフィラデルフィアへとやってきた。その旅路が彼を再びニューオーリンズへと導いた。もちろん、レギュラーシーズン中にセインツと対戦するためにここへ来たことはすでにあり、現地3日(月)の夜、バウンはそれを思い出していた。

ニューオーリンズでプレーする次のゲームが、彼の人生最高のものになることをバウンは願っている。

「何度もゲームをプレーしたスタジアムに戻ってこられてすごくうれしかった」と火曜日にバウンは話した。「シーズン中にそこでプレーはしているから、新鮮な感覚とは言えないけど、次の試合の終わりには、スタンドを見上げて、“ああ、ここですべてが始まったんだよな”ってしみじみ考えると思う」

バウンは初め、エッジラッシャーとしてウィスコンシン大学からセインツに入団した。しかし、スクリメージライン際で目立った活躍をすることはなかった。ところが、フィラデルフィアに来て、正式にオフボールラインバッカーに転身すると一気に目覚め、2024年に『Pro Football Focus(プロフットボール・フォーカス)』でNFLのラインバッカーの中でトップグレードのカバレッジを誇る選手に選ばれるほどの活躍を見せた。

2024年のバウンはキャリアベストを連発し、これまでのベストを120回上回るタックル150回、タックルフォーロス11回をマークしてイーグルスを率いた。ファンブルフォースは5回で、全NFLラインバッカーの中で2位タイ、2000年以降で150回以上のタックルと5回以上のファンブルフォースを記録した2人のうちの1人となっている。サックでも自己ベストの3.5回を達成し、これらによって初のオールプロとプロボウルに選出。さらに、2024年AP通信ディフェンス部門年間最優秀選手賞のファイナリストにも選ばれた。

セインツを出た頃と比べて劇的な飛躍だ。むしろ、どうして今まで役割を変えなかったのかと不思議に思うほどだ。

確実な勝者を求めてニューオーリンズを出たバウンがイーグルスを選んだのは必然と言える。1年前のスーパーボウルに出場したチームは、2024年もプレーオフとその先に進む地位を確保していた。また、自分の才能を生かせる場所が必要なこともバウンは認識していた。

自分が正しい選択をしたと理解するのに時間はかからなかった。

「チームからは(適性について)何も言われなかった。正直、俺はオンでもオフボールでも、どっちでも問題ないと思っていた」とバウンは言う。「ここに着いたら、インサイドラインバッカーコーチのボビー・キングのところへ行けって言われて、“OK、そいつはいいスタートだ”って感じさ。まずはインサイドラインバッカーだねって。そのうち、気付いたら(守備コーディネーター/DCのビック・ファンジオに)“アウトサイドでスナップを受けるのはいつ頃になるかな?”って質問していた。そしたら、“時季を見て”って言われて、その時点で悟ったよ」

イーグルスがバウンに合っていたのだろうと思う者もいるかもしれないが、これはフィラデルフィアに来るずっと前から始まっていたことの集大成であり、新チームでそれを証明する機会が巡ってきたからだと彼は表現した。

木曜日、セインツとイーグルスの違いについて聞かれたバウンは笑いながら、“プレー時間かな”と答えている。「前はこんなに多くスナップを受けていなかったから。フィリーに来て、居心地が良かったっていうのもある。すぐに先発に入れてくれたから、時間をかけてタスクに取り組み、技術を磨いて、タックリングやカバレッジを強化できた。リーグベストのカバレッジラインバッカーっていうのは、自分たちのタックリング、スペースでのタックリングをすごく信頼していると思う。それがとても役立った」

その信頼がパフォーマンスの大幅な向上につながり、その結果がゲーム最大のステージへの出場となった。チームメイトたちは比較的なじみのない場所で人生最大のゲームをプレーすることになるが、バウンは少なくとも地勢については知り尽くしている。

ニューオーリンズを知るバウンは、試合後、自分とイーグルスの仲間たちが世界に向けてロンバルディトロフィーを掲げ、スポットライトを浴びる姿を夢見ている。

「すごくいいね。街が生き生きしていて最高だ」とバウンは言う。「分かっていたけど、本当にいい景色だよ。ここに戻ってこられてうれしい」

「フィリーがどれだけ大騒ぎになるか、想像するしかないよ」

【M】