セインツがイーグルスOCムーアを新HCに起用すべく月曜日にも契約の最終調整へ
2025年02月10日(月) 09:50![](https://nfljapan.s3.ap-northeast-1.amazonaws.com/wp-content/uploads/2025/02/10081642/AP25024289983401.jpg)
ケレン・ムーアがフィラデルフィア・イーグルスの攻撃コーディネーター(OC)として過ごした1シーズンの成果によって昇進を果たそうとしている。
ニューオーリンズ・セインツがムーアを新ヘッドコーチ(HC)として迎えるべく、現地10日(月)にも契約の最終調整をする見込みだと『NFL Network(NFLネットワーク)』のイアン・ラポポートが日曜日に『NFL GameDay Morning(NFLゲームデー・モーニング)』で報じた。ラポポートによれば、ムーアは第59回スーパーボウルの終了後にチームと共にフィラデルフィアに戻り、その後、正式な契約手続きを開始するとのこと。
ムーアの採用が決まれば、NFLで空席となっているヘッドコーチ職がすべて埋まることになる。今回の選考では、ニューヨーク・ジャイアンツの攻撃コーディネーターであるマイク・カフカやマイアミ・ドルフィンズの守備コーディネーター(DC)アンソニー・ウィーバー、そしてシーズン最初の9試合を経て解雇されたデニス・アレンの後任として暫定HCを務めたダレン・リジーが候補として挙がっていた。セインツは2024年シーズンを5勝12敗で終えている。
バッファロー・ビルズのジョー・ブレイディOCやダラス・カウボーイズの元HCマイク・マッカーシーも候補に挙がっていたが、両者とも自らHC候補から外れた。
一方のムーアはセインツで、キャリアで初めてヘッドコーチに就任しようとしている。
ムーアは指導者としての7年を経てセインツのヘッドコーチに就任することになりそうだ。カウボーイズでクオーターバック(QB)コーチから攻撃コーディネーターに昇格したムーアは、ロサンゼルス・チャージャーズとイーグルスでそれぞれ1年ずつ攻撃コーディネーターを務めてきた。ダラスでは優れたオフェンシブマインドを持っていると評価されていたものの、マッカーシーがプレーコールを引き継いだことで、2023年にチャージャーズに移籍。チャージャーズでの厳しい1シーズンを経て、ムーアは2024年にフィラデルフィアへ移った。
“兄弟愛の街”として知られるフィラデルフィアは、ムーアにとって理想的な場所となり、ムーアは2024年レギュラーシーズンにイーグルス攻撃陣を試合平均トータルヤードで8位に導いた。これは、ランニングバック(RB)セイクワン・バークリーの伝説的な活躍により、ラン攻撃で2位につけたことも一助となっている。オフェンスが苦戦するタイミングもあったが、バックフィールドに絶えず脅威となり続けるバークリーを擁していたことで、イーグルスはシーズン最後の13試合中12試合で勝利。その勢いを維持してNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップを制し、第59回スーパーボウルへの出場を果たしている。
そのような形で目立ったことで、ムーアは新ヘッドコーチを求めるチームから注目を集めたのかもしれない。ヘッドコーチが決まっていない最後のチームとなっているセインツは、ムーアが所属するイーグルスがスーパーボウルを終えるのを待ってから正式に契約を結ぶことに満足しているようだ。
2年前に大きく苦戦し、2024年も断続的に改善の兆しを見せるにとどまったセインツは、特に複数のワイドレシーバー(WR)やクオーターバック(QB)デレック・カーが欠場を余儀なくされた後に安定した成績を残すのに苦労したオフェンスに、ムーアが活力を吹き込んでくれることを望んでいる。ムーアは2年前からセインツの司令塔としてプレーしているベテラン選手のカーとタッグを組み、この2年間より良い成績を残すことが期待されている。
ムーアのフットボール人生は、ワシントン州の高校で記録を樹立したクオーターバックとして始まり、その後にボイシ州立大学へ進学した。そこで5年間を過ごしたムーアは、カレッジキャリアにおいてフットボール・ボウル・サブディビジョン(FBS)で50勝を達成した最初のクオーターバックとなっている。そうした功績を挙げたにもかかわらず、ドラフトされることはなかったが、ムーアはデトロイト・ライオンズとカウボーイズで主に練習生あるいはバックアップクオーターバックとして6年間のNFLキャリアを築き、2018年に指導者に転向した。
指導者として7年間の経験を積んできたムーアは、キャリアの中で最も大きな責任を負う準備ができている。
【RA】