“泥臭く、粘り強い”ディフェンスを目指すライオンズ新DCシェパード
2025年02月20日(木) 14:20
デトロイト・ライオンズの守備コーディネーター(DC)に新しく就任したケルビン・シェパードは、ヘッドコーチ(HC)ダン・キャンベルのスタッフとしてまさに理想的な指導者と言える。
アーロン・グレンがニューヨーク・ジェッツに移籍したのに伴い、ラインバッカー(LB)コーチからDCに昇格したシェパードは、『FOX 2 Detroit(フォックス2デトロイト)』のダン・ミラーとのインタビューで、自身のディフェンス哲学として「選手同士が一体となり、互いのためにプレーすること」を最優先に掲げた。
「チームとしての結束、そこからすべてが派生する。徹底したハードワークは絶対条件だ」とシェパードは語った。
「コーチが努力を指導することはないと日ごろから伝えている。このディフェンスにおいて手を抜けば、すぐに目立つことになる。そして、泥臭く、粘り強く、最後まで戦い抜くこと。もがきながらでも必死にくらいつき、全力でプレーする。それさえ徹底できれば、他のことは後からついてくる。私は一度もスタッツや個人の実績について語っていない。それは、まずこの基本ができてこそ、結果として得られるものだからだ。これこそが、ディフェンスユニットとしてのDNAになる」
シェパードはNFLで8年間ラインバッカーとしてプレーし、2021年にキャンベルHCの下でコーチングキャリアをスタート。わずか5年でアウトサイドラインバッカーコーチからラインバッカーコーチ、そしてDCへと昇格した。プレーコールの経験がないままの昇格は異例のスピード出世と言えよう。
シェパードは、新たにディフェンシブラインコーチ兼ランゲームコーディネーターとして加わり、DCの経験もあるケイシー・ロジャースを筆頭に、ベテランスタッフの存在が自身の成長を支えてくれると確信している。
37歳のシェパードはラインバッカー出身であるものの、ディフェンスの基盤は前線にあると強調している。
「ディフェンスのすべてはフロントから始まる」とシェパードは言う。
「チャンピオンシップゲームに残ったチームを見れば、それは明らかだ。これは秘密でも何でもない。ランゲームにしろパスゲームにしろ、すべてはトレンチから始まる。今の時代はパス重視の傾向が強いが、実際に試合を見れば分かるように、多くのチームがフットボールの原点に回帰している。それは、トレンチでのフィジカルな強さだ。これを持たずして戦うことはできない。私が常に言っているのは、“パスラッシュする権利を勝ち取れ”ということ。どれだけ優れたパスラッシャーでも、まずはパスを多用する状況に追い込み、そのチャンスを作らなければならない。だからこそ、ランとパスの両方で戦える選手をそろえ、チームの理想とするスタイルにフィットさせることが最優先になる」
2024年シーズンにライオンズのディフェンスは負傷者続出に苦しんだ。今回のオフシーズンの課題は、ディフェンシブエンド(DE)エイダン・ハッチンソンとディフェンシブタックル(DT)エイム・マクニールが万全の状態で復帰するまでに、ディフェンシブラインの層を厚くし、より強力なユニットを構築することだ。
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