ジャガーズから移籍のTEエングラム、一番乗りが難しいブロンコスのカルチャーに感心
2025年07月28日(月) 13:36
タイトエンド(TE)エバン・エングラムがデンバー・ブロンコスのカルチャーに魅了されるのに、それほど時間はかからなかった。
トレーニングキャンプ開始から数日が経過した時点で、エングラムは新天地でのある難しさを実感している。それは、誰よりも早く施設に到着し、最後に帰る存在として目立つことが、ブロンコスでは簡単ではないということ。
「今ブロンコスの一員でいることの中で、一番気に入っているのはそこかもしれない」とエングラムは現地25日(金)に語った。
「このチームの結束の仕方、お互いを高め合い、刺激し合う姿勢。そして、ここで築けた絆や、自分たちに課しているスタンダード、仲間意識や笑いを共有できること。そうしたすべてが気に入っている。ロッカールームの雰囲気は素晴らしいし、リーダーたちもたくさんいる」
「家族や周りの人にも話しているけど、ここでは施設に一番乗りするのが本当に難しい。ジャクソンビル・ジャガーズでは自分がいつも一番早かったし、それはすごく簡単だった。でもここでは違う。最高のレベルで取り組んでいる選手がたくさんいるからね。伝染しやすい環境なんだ。みんなが上を目指していて、全員で高い目標を達成しようとしている」
この発言は、エングラムが新天地ブロンコスの文化を称える意図によるものだ。2023年シーズンに10勝を挙げ、2015年以来となる2桁勝利とプレーオフ進出を果たしたブロンコスは、さらなる飛躍を目指している。
ただ、チーム文化の違いを強調するため、ジャガーズでは自分の出勤の早さに誰も追随しなかった事実に触れざるを得なかった。エングラムはジャガーズでの過去3シーズンにわたり、通算レシーブ234回で2,094ヤードとタッチダウン9回を記録している。
その間、ジャガーズはエングラムの加入初年度にAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)ディビジョナルラウンド進出という番狂わせを演じたものの、2023年はシーズン終盤に失速。2024年はわずか4勝に終わり、ヘッドコーチ(HC)ダグ・ペダーソンが解任された。ジャガーズは3月にエングラムを放出しており、新たに就任したヘッドコーチのリアム・コーエンの下で、より成功に結びつくチームカルチャーの構築を目指している。
ジャガーズとエングラムがプレーオフに進出したシーズンに5勝12敗と沈んでいたブロンコスは、その後2シーズンで対照的な歩みを見せている。ショーン・ペイトンHCの下で2023年に8勝、昨シーズンには10勝を挙げている。
ペイトンHC自身も、土曜日に開催された“Back Together Weekend(バック・トゥギャザー・ウィークエンド)”の中で、昨年からブロンコスに根付き始めたカルチャーの変化について言及している。
ペイトンHCは「時には1年かかることもあるが、いずれ起きるものだ」と述べ、こう続けた。
「フットボールを愛する選手、賢い選手を見つけて、彼らが成功できるポジションに配置すること。それがカギになる。そして去年、それが機能し始めた。シーズンのどの時点かははっきりしないが、昨年のチームには本当に感謝している。変化はポストシーズンだけに限った話ではなかった。0勝2敗でスタートした後、東海岸での一連の試合がとても大きかった。敵地でタンパベイ・バッカニアーズに勝ち、ニューヨーク・ジェッツにも勝利した。あの巻き返しが、今の自分たちにつながっている。一度その成功体験を味わえば、もっと求めたくなるし、逆の結果なんてもう見たくなくなる。そこに、その経験を持った選手を数人加えればいい。今の状況には非常に満足している」
今の焦点は、さらに成長することを目指して地に足をつけて取り組むことだ。ブロンコスではクオーターバック(QB)ボー・ニックスが若きリーダーとして台頭し、ワイドレシーバー(WR)コートランド・サットンという頼れるベテランも健在。2024年にはディフェンシブエンド(DE)ニック・ボニートが破壊力あるパスラッシャーとして躍動し、コーナーバック(CB)パトリック・サーテイン2世はディフェンス部門年間最優秀選手賞を獲得している。エングラムは、サンフランシスコ・49ersで実績を積んだラインバッカー(LB)ドレイ・グリーンローやセーフティ(S)タラノア・フファンガらとともにフリーエージェント(FA)として加入。いずれも、昨季ブロンコスが築いた基盤をさらに強固なものにするための補強だ。
昨年に多くの試合を落としたチームから、勢いに乗るチームへと移籍したエングラムは、ブロンコスの選手たちがその流れを継続させようとする姿勢を肌で感じている。
少し気が早いが、そんなエングラムの古巣ジャガーズとブロンコスは、シーズン第16週にジャクソンビルで激突する。
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