イーグルスが普及させた“タッシュプッシュ”プレーを禁止するルールをパッカーズが提案
2025年02月25日(火) 13:51
少なくとも1チームが人気を集めているクオーターバック(QB)スニークのスタイルに反対しており、その廃止を求めている。
あるチームが“タッシュプッシュ”と知られているプレーの禁止を提案したと、NFLフットボール運営部門上級副社長のトロイ・ビンセントが現地24日(月)に『NFL Network(NFLネットワーク)』のジュディ・バティスタに明かした。ビンセントはチーム名を明らかにしなかったが、後にNFLネットワークのトム・ペリセロが、その提案を行ったのはグリーンベイ・パッカーズだと報じている。
そのルーツは最も基本的なクオーターバックスニークに遡ることができるが、“タッシュプッシュ”――“Brotherly Shove(ブラザリー・シャブ)”とも呼ばれる――はフィラデルフィアで生まれたプレーだ。フィラデルフィア・イーグルスが広めたこのプレーは、QBジェイレン・ハーツの後ろに2人のチームメイトを配置し、スナップを受けたハーツがその2人から押される形で前進し、必要なヤード数を獲得して第1ダウン更新やタッチダウンを狙うというものだ。
このプレーはイーグルスにとって非常に効果的であり、結果としてハーツは2024年シーズンに14回のタッチダウンランを記録して5位タイにつけた。多くのチームがそれぞれの方法でこのプレーを再現しようとしており、ラインの一方を選ぶチームもあれば、ボールキャリアーがAギャップの外側を狙い、ミスディレクションの要素を取り入れるチームもある。しかし、イーグルスほどこのプレーをうまく実行できているチームはない。イーグルスは1月に臨んだNFC(ナショナル・フットボール・カンファレンス)チャンピオンシップゲームでも、ワシントン・コマンダースを相手に何度もオフサイドを誘った。
“タッシュプッシュ”は対戦相手の怒りを買うものであり、月曜日にビンセントが明らかにした提案につながっている。しかし、その違法性を正当化することは難しいかもしれない。
「タッシュプッシュプレーに関する疑問は、その形をある程度維持したまま修正できるかという点だ。このプレーは実行される頻度が低いため、ケガにのみ基づいて禁止を推し進めるほど十分なデータがリーグにはない」
Question on the Tush Push play is whether it could be modified to keep some semblance of the play intact. The play is run so infrequently that there isn’t enough injury data for the league to push for a ban based on injuries alone.
— Judy Battista (@judybattista) February 24, 2025
基本的に、NFL競技委員会と毎年恒例の提案検討の場において、イデオロギーの対立が生じる可能性がある。
昨年、リーグのオーナーたちは新しいダイナミックキックオフフォーマットを承認し、ヒップドロップタックルを禁止したが、“ブラザリー・シャブ”の禁止は議題に上がらなかった。
ビンセントはバティスタに「ヒップドロップとタッシュプッシュは3年前に同じ話題で語られていた」と話している。
「1年前は、とにかくヒップドロップタックルに焦点を絞ろうという感じだった。タッシュプッシュについては、フィラデルフィア・イーグルスが他のどのチームよりもうまくやっていると言われているだけだった。だが、いくつかの懸念はある。われわれの安全衛生委員会は本日、負傷報告に関する簡単な話し合いでそれを明らかにした。いくつかの課題や懸念事項については、彼らが明日、より幅広いグループと共有する予定だ。しかし、タッシュプッシュについては3月に入ってから議論の対象となるだろう」
リーグの競技委員会に所属する4人のNFLコーチのうちの1人であるバッファロー・ビルズのヘッドコーチ(HC)ショーン・マクダーモットは、月曜日にNFLスカウティングコンバインの記者会見でその提案について質問を受けた。
マクダーモットは「ケガのリスクは常にあり、私はここ数年、その意見を表明してきた。特に1年前から、そのリスクは実際の使われ方に影響を及ぼし始めた」と述べている。
「私はただ、選手の健康や安全が私たちのゲームの最優先事項でなければならないと感じているし、実際にそうなっている。そのプレーや、プレーで使用される技術の使い方が、選手たちの健康と安全に反している可能性があると私は感じている。やはり、そのプレーに関するケガのデータを公平に見直す必要があるが、とにかく私はそのプレーの見た目があまり好きではない」
年次リーグミーティングが現地3月30日(日)に始まる前に、競技委員会には1カ月間、議論の準備期間が与えられる。
【RA】